ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング の感想

216 人が閲覧しました

一見、矛盾しているかのように思えるこのテーマ。
作品を読み終え、何も考えずにA４用紙に１分以内で書くトレーニングをつづけると
２週間くらいでたしかに思考の変化を実感した。
どんな問題であれ、いまの状況を打破したい人におすすめしたい一冊です。

「思考のスピードを速めるには」的な関心でネットサーフしていてたまたま発見。レビューにも非常に優れた紹介・評論が多く屋上屋になってしまうが、自分なりの感想を3点書いておきたい。
１．フォーマットの簡便性と統一性：
用紙もレイアウトも項目数も時間も全て決まっている。カスタマイズなど考える必要はない、との主張は著者自身の探索と広汎な指導経験に裏打ちされた自信から来るものであろう。レビュアーによっては構成や表現が冗長だとの意見もあるようだが、著者が何度も繰り返してでも述べたい程に重視している、ということで、「教科書」としてはむしろ望ましい懇切丁寧さとの印象を持った。

２．読み返す必要の希薄さ：
「書く」という行為については実に細かくガイダンスを与えているのに、書いた内容を振り返る、読み返すということについては実にウェイトが置かれていない点も興味深い。どうみても「おまけ」程度の扱いである。

３．思考を「吐き出す」ことのメリット：
以上2点から、筆者の提唱する方法は、通常理解されているメモ・ノート術とは完全に異なるものである、と言える。つまり、「作成方法でフォーマット等いろいろ考える必要がない」、また「作成した内容を後で読み返す際の便宜など考える必要がない」加えて「1分しかないので余計なことを考えている必要がない」というわけで、自分もたかだか10日程度ではあるが試してみたが、自分の頭の中の思考を純度高く吐き出すことができる、との感想を持っている。考えをアウトプットする方法は巷にあふれているが、アウトプットの過程でまたいろんな雑念？が紛れ込んできて思考が錯綜し、ついにはアウトプットを「やーめた」となってしまうことも恥ずかしながら多いのだが、筆者のゼロ秒メソッドはそれを許さない。不謹慎なたとえかも知れないが非常に効き目のある下剤みたいなものである。

本書で提示されている方法を使うと、確かに頭の中で考えていることが整理されてすっきりする。

ただ、著者の言っている方法をそのまま再現することは、少し難しいように感じる。
・一分で4行書ききることは難しい。
　→本書で例として挙げられているものを試しに書き写してみたが、1分30秒近くかかった。
・思いついたその場で書くというのは難しい。
　→その場ということは常にメモを持ち歩く必要があり、そうなると人に見られる可能性が出てくる。
　　　人に見られるということを意識していしまうと、自由に書くことはできなくなる。

また、一日10枚にこだわっているようでしたが、書くことがないようだったら無理に10枚に拘らずに、
書きたい枚数だけ書いたほうが長続きすると感じた。

方法論自体は使えると思ったので、決められた方法に拘らずに、自分の続けられるやり方で続けるのがいいのではないかと感じた。
(著者は勝手に方法をアレンジすることを嫌っているようでしたが…)