四大公害病 - 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 (中公新書) の感想
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参照データ
タイトル | 四大公害病 - 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 政野 淳子 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121022370 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 産業廃棄物・公害 |
購入者の感想
今まで公害について、特に水俣病については多くの書籍が出版されています。その中で新書という手軽でわかりやすい形式の書籍は限られている上、事件の発覚時を中心としたものが多いようです。しかし、本書は2013年刊行ということですので、原因究明はもちろんのこと、国や地方自治体、企業の責任を完全にとはいかなくともはっきりと確定された上で、非常に整理されているのが特徴です。
四大公害とは言っても、現実には水俣病を取り扱った本が多く、それ以外はやや専門的あるいは高価な書籍が中心でした。おそらくは、水俣病自体が公害事件のシンボル的な存在であり、ある意味もっとも揉めた事件でもあったからでしょう。そのような意味においても、水俣病以外の3つについてもよくまとめられており、本書は非常に参考となります。しかし、思ったこととして、半世紀以上前に起こった公害問題が未だに解決していないということです。解決を待たずに逝去された方も多くいる現状を思えば、政治に配慮した基準ではなく、現実の被害者の方々に寄り添ったものになることが望ましいのでしょう。何しろ、これほどの被害は世界初のことですので、基準自体が過去を参照にできない以上は、現実の患者を参考にするしかないのですから。
さて、公害問題では医学的・科学的視点、あるいは実際の被害者を取材し寄り添ったようなものがよくある形ではないでしょうか。本書はそのような部位についても記載はありますが、私が注目したのは政府や省庁、地方自治体がどう動いたのか、といった政治的な部分です。対応の甘さはよくいわれることですが、その詳細については話の中心とならないせいか、あまり詳しく解説されないことも多いので非常に参考になりました。また、刊行の新しさから、裁判の結果についても、判決文のまとめといった形で司法の判断が分かることもよいことだと思います。
四大公害とは言っても、現実には水俣病を取り扱った本が多く、それ以外はやや専門的あるいは高価な書籍が中心でした。おそらくは、水俣病自体が公害事件のシンボル的な存在であり、ある意味もっとも揉めた事件でもあったからでしょう。そのような意味においても、水俣病以外の3つについてもよくまとめられており、本書は非常に参考となります。しかし、思ったこととして、半世紀以上前に起こった公害問題が未だに解決していないということです。解決を待たずに逝去された方も多くいる現状を思えば、政治に配慮した基準ではなく、現実の被害者の方々に寄り添ったものになることが望ましいのでしょう。何しろ、これほどの被害は世界初のことですので、基準自体が過去を参照にできない以上は、現実の患者を参考にするしかないのですから。
さて、公害問題では医学的・科学的視点、あるいは実際の被害者を取材し寄り添ったようなものがよくある形ではないでしょうか。本書はそのような部位についても記載はありますが、私が注目したのは政府や省庁、地方自治体がどう動いたのか、といった政治的な部分です。対応の甘さはよくいわれることですが、その詳細については話の中心とならないせいか、あまり詳しく解説されないことも多いので非常に参考になりました。また、刊行の新しさから、裁判の結果についても、判決文のまとめといった形で司法の判断が分かることもよいことだと思います。