アンネ・フランク―その15年の生涯 の感想

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参照データ

タイトルアンネ・フランク―その15年の生涯
発売日販売日未定
製作者黒川 万千代
販売元合同出版
JANコード9784772604635
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

ユダヤ人迫害「ホロコースト」の犠牲者であるアンネ・フランクの生涯を思い出の地を作者自身が実際に訪問して綴った本。

この本はアンネの生涯を綴った本の中で、アンネとマルゴーの両親の家庭から
父・オットーと母・エーディトの気質を語り、そこから何故一家がユダヤ人とって動乱の渦中となる欧州に留まっていたのかの背景を探る。

まずオットーとエーディトが結婚したのは1925年、オットー36歳・エーディト25歳のときでした。
つまり二人は年齢が11歳も離れていたのです。これは深読みすれば「通常の恋愛結婚ではない」とも受け止められます。

お父さんのオットーの家は銀行業を営んでいました。といっても地方の中小銀行で、しかも1929年に世界恐慌が起きて家業は没落し立て直しに必死になります。
一方のエーディトの実家は屑鉄業を営んでおり、第一次世界大戦と戦後の復興景気で大儲けして大変裕福だったそうです。
つまり、「中小銀行の跡取り息子」と「大金持ちのお嬢様」との結婚であったと言えるわけです。

結婚して1年後の1926年にマルゴーが、3年後の1929年にはアンネが生まれます。
しかし、時代は動乱の足音が近付いていました。1930年代に入るとドイツではナチスが政権を握り、次第にユダヤ人を迫害する動きが出てきます。
1933年にオットーは銀行業の立て直しを諦めて、オランダでジャムを作るペクチンを扱う仕事をすることにして単身赴任しました。
運よく仕事は軌道に乗り、オットーはエーディトとマルゴー・アンネをオランダに呼び寄せることが出来たのです。

もうこの頃には「将来的にドイツに留まり続けるのは危険だ」とまで感じられるようになってきていました。
勘のいいユダヤ人たちは欧州での生活に見切りを付けて、アメリカやイギリスに移住していったのですが、
移住だって無料ではありません。住居は?仕事は?言葉は?食べ物は?頼るあてもツテもない多くのユダヤ人は危険を感じながらも欧州に留まり続け、
自らの生命を危機に晒すことになってしまうのです。

 先日、あるバザーを手伝った。
 各店が店じまいを始めている中、最後の客を待つように机の前に座っている高齢のご婦人が気になった。
 前日、大きなリュックを背負い両手にも荷物と杖を持ち、ゆっくり階段を上って行く姿を見かけたが、「お手伝いしますよ」という周りの人々の声に「大丈夫です」と、気丈に答えていた方だった。
 机の上に『アンネ・フランク/その15年の生涯』という本が数冊、他の品々と共に置かれている。アンネの笑顔の表紙に興味が湧いて、近寄ってぱらぱらめくっていると、

「この本は私が書いたものです」

と、その方が立ち上がった。目の前の方とアンネの本が結び付かず、驚きの気持ちで購入を決めた。

「(善意を含めた)想像ではなく、事実をよく調べて執筆しました」

という著者の言葉に惹きつけられ、その夜に最後まで読み切った。
 『アンネの日記』は若い頃に読んだが、悲惨な運命を辿ったユダヤ人の少女というイメージしか残っておらず、今回、日記の書かれた時代背景や周りの状況を知ることで、生身の人間としてのアンネが浮かびあがり、胸に迫った。
 アンネと同い年、今年80歳の黒川万千代さんが著者である。

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