日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル の感想

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タイトル日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル
発売日販売日未定
製作者橘 玲
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478024379
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 金融・ファイナンス

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購入者の感想

以前、証券会社で国債のトレーダーをしていました。以前から気になっていたので読んでみました。なかなかいい本です。
著者が言いたいことは「構造問題はいずれ顕在化する」ということに尽きると思います。
ほとんどの国家破産本は、基本的なマーケットの知識のない著者が書いた眉唾物ですが、この本は結構まともです。
日本の財政が危機的状況なのは周知のとおりで、アベノミクスも2018年から振り返ると結局は時間稼ぎ、
というか問題先送りにすぎませんでした。

著者が勧めている「普通預金」についても、いくつかの金融危機を現場で経験したものとして納得できるものがあります。
パニックの時には一番に「流動性が枯渇」するからです。リーマンも山一もこれで潰れました。
次の危機の際は、「日本国政府」だけでなく「あなた」の流動性が枯渇するとも限りません。

最近一部の識者から「日銀が国債の半分を持っているのだから、日本の財政再建は終了した」との説が一部で流布していますが
日銀の国債買入と対になっている負債サイドの莫大は準備預金(所謂「豚積み」)の存在を無視しています。この準備預金は要は皆さんの預金です。これも一緒に帳消しにできるのなら、もちろん問題ありませんが...
もちろん金利上昇が始まって財政破綻の危機が発生した場合でも対策がないわけではありません。
例えば
・準備預金率を大幅に引き上げる・・・当然貸し剥がしが起きます
・日銀の国債を無利子の永久債(所謂「コルソン債」)に借り換える・・・超円安かな
さらに
・すべての金融資産と不動産にマイナンバーを紐づけして高額の「資産課税」をする・・・終戦後にやりました
・日本円を一気に電子通貨にして、大幅な「マイナス金利」を課す・・・最近これが心配!
・政府紙幣を発行する・・・これも超円安?
などなど、
いずれにしても日本がバブル期並みの5%程度のGDP成長率を達成し構造問題が「解消」でもしない限り、

資産運用に関する基礎的な知識、考え方を学ぶためには役立つと思いますが、
この本に書かれている通りの方法で資産防衛はできないと思います。

リーマンショック前に流行した、高金利通貨をレバレッジをかけてロングする
といった投資行動は決して合理的ではない(多くの場合損する)といった、
ある意味当たり前のことが詳しく説明されています。資産を正しく運用する
ために私達がまず最初に知っておかねばならないことは、市場が効率的であ
る限り金融商品の将来動向を予測して美味しく儲けることなどできない(ご
く稀に例外はあるとは思う)という単純な事実でしょう。そうした基本的な
考え方を学ぶには良い本だと思います。

一方で、既ににそうしたことは理解した上で、どうやったら万が一の破局的
事態から資産を防衛できるのか日々を考えている人には、この本はあまり役立
たないのではないかと思います。

橘氏によれば破滅は

・「第一ステージ」(国債下落、金利上昇)
・「第二ステージ」(円安、インフレ、国家債務膨張)
・「第三ステージ」(国債デフォルト、IMF管理下入り)

と、一定の時間をかけ順を追って進むといいます。故に各ステージに入って
から行動を起こせば良いと書かれていますが、「今日第二ステージに入りました!」
と誰かが教えてくれるわけでもない。「第二ステージ」に入ったように思われ
たものの、事態は進行せず長期間膠着したり、徐々に金利が戻すということも
当然あり得ます。

目下のギリシアを見ても分かるように、来月どうなっているかもよくわから
ず、流動的に事態が動く中で、一体何を基準に「今日第二ステージに入った
から国債ベアを買う日だ!」と判断するというのでしょう。事態が先へ進まな
いまま、ずるずると時間が経てば国債ベアは資産を溶かしていくだけです。

もちろん「保険」か「宝くじ」と考えれば、確かにそれもアリかもしれませ

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