Frozen: A Sister More Like Me の感想

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タイトルを直訳すると「あたしみたいな姉妹」
けれどタイトルとは裏腹に描写されるのは姉妹がいかに違うかっていうところ。映画と同じような悲劇に見舞われて疎遠になってしまう二人ですが、映画とは違って、二人はまったく会わなかったわけではなく、お互いにお互いのことを意識する程度に動静は伺いあえる関係だけど…ぐらいの距離感で、両親を見舞った悲劇にも言及されません。
が、それはそれでFROZENという物語の裡かと。

イラストは、FROZENで衣装デザインやエルサの髪形、服や建物を装飾する花模様（ローズマリング）などを手掛けたブリトニー・リーさんで、やはり公式の絵本の絵柄や３D絵とは大きく違いますが、FROZENテイストもちゃんとあって可愛らしくて素晴らしいです。

和訳版とは全然話もニュアンスも違うのでできればこちらを読んで頂きたいところ。

　英語から直訳すると上の意味になりますが、和訳版では「ありのままでだいじょうぶ」となっています。
　映画では最初の10分以内に歌と音楽に合わせてリズミカルに駆け抜ける感じでしたが、この本ではアナとエルザの幼少期が細かく描かれています。映画を見ずにこの本だけ見ても多分何のことかよくわからないと思うので、映画鑑賞は必須です。
　映画では戴冠式までずっと軟禁状態だったのか？と思えてしまいますが、この本を見るとそうではなかったとわかりほっとしました。
　姉は屋内で勉学(幾何学)にいそしみ、優雅に過ごし、妹は屋外で活発に動き回って過ごす、という対照的な幼少期を送ってきたようです。
　最初は自分に似た姉妹であって欲しかった、と思っていましたが、最後にはお互い異なっていたからこそ補い合える関係になれた、と思えるようになります。イラスト同様に内容にも温かみが感じられました。
　英語も少々難しい言い回しや表現もありますが、文章自体は少ないので調べながらでもそれほど苦労しないで読めると思います。韻を踏んでおり、リズミカルな文章です。

　日本語版も一読しましたが、子供向けなためなのか、かなり意訳がなされていて受けた感じが違いました。自分としてはこちらがより気に入っています。

映画の"アナと雪の女王"とは若干違ったお話で、姉妹っていいなと思わせてくれる素敵な絵本です。数あるアナと雪の女王関連の絵本の中でもイラストの色彩が特に綺麗。英語が分からなくても絵で理解できるので大丈夫。ファンの方にはぜひお手に取って頂きたい絵本です。