国際金融入門 (岩波新書) の感想

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タイトル国際金融入門 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者岩田 規久男
販売元岩波書店
JANコード9784004311966
カテゴリ » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 » 一般・投資読み物

購入者の感想

教科書っぽくなく、安直な解説書でもなく、よくできてる国際金融の解説書だと思います。
最も理解しにくい、国際金融独自の考え方など基礎的なところについて、丁寧なわかりやすい説明です。
あらためて著者の説明力に驚きます。
2009年の発行なので、国際収支表が改訂されている点など注意が必要ですが、本格的な教科書を読む前に読んでおくと、国際金融論がぐっとわかりやすくなると思います。

国際金融とは日常ではあまり意識しないし、ニュースなどで為替レートがどうとか、円
高ドル安などという言葉を耳にするくらいですが、グローバル化の進む現在、世界的な
金融の動きも国内での身近な生活に大きく影響し、全くの無関心ではいられないと思わ
れます。そこで、多少とも国際金融について知識を得て、ニュースなどで報じられる内
容が理解できればと思って読んでみましたが、ちょっと甘い目論見だったようです。

本書を読み始めてすぐに、国際金融云々よりも、まずは金融についての基礎知識がなけ
れば話にならないという、至極当たり前のことに気づきました。為替レートの決定メカ
ニズム以前に、そもそも為替についての知識が全くないので、本書の噛み砕いた説明も
なかなか頭に入ってきませんし、概念がよく理解できません。

円売り・ドル買いなど、当たり前に使われている言葉ですが、金融に馴染みのない私な
どは、そもそもなぜ貨幣の交換を売り買いというのか疑問に思われます。しかし、よく
考えると日常の買物も、貨幣と物品の交換を売買と言っているわけで、そうすると貨幣
の存在が問題になるのか、単なる交換とは意味合いが異なるのか、などと貨幣経済の根
本がよくわかっていないことに気づき、とても国際金融どころではありません。

本書でも、貨幣の交換機能や価値の貯蔵機能など、貨幣の基本から話が始まり、貨幣の
貸借である金融から、国を跨いだ金融である国際金融の話へと徐々に話が展開していき
ます。ただ、そもそも売買とは何であるのか、円売り・ドル買いの言葉の謎はひとまず
置いておくことになります。また別途、いろいろ調べてみる必要がありそうです。

資本取引では資本収支は変化しない。経常収支が変化して初めて資本収支は変化する。
また経常収支=資本収支が変化しても国内のマネーサプライは変化しない。
マクロ経済学の入門書に出てくるマンデルフレミングモデルを理解する上でも
最も基本となる国際収支についての正しい理解が書かれている教科書は非常に少ない。
マクロ経済学の教科書を読む前に先に本書を読んでおこう。
ただし3章まででいい。4章以降はどうせ他の本で勉強する。
同じ岩波新書の金融入門にしてもそうだが、この頃の岩田規久男の著書は神レベル。

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