ハイブリッド・レシピ の感想

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タイトル“ハイブリッドレシピ”と、聞き慣れない言葉ですが、この本はつまり、世間でよく話題になる「プリン＋醤油＝ウニの味？」というような、食材の組み合わせで生まれる意外な味について、70種類を科学的にまとめてある本です。

「レシピ」というだけあり、組み合わせる食材の名称だけでなく、その配合比までもが明記されており、興味のある方はだれでも試すことが出来ます。しかも、この本に関して特筆すべきことは、世間で話題となっている食材の組み合わせを、実際に食してコメントしているだけでなく、“味覚センサー”という装置で塩味、酸味、甘味、コクなどというような様々な味を数値化している点です。著者の都甲教授は、味覚センサーを世界で初めて実用化させた方なので、「人間＆センサー」という2種類の舌によって、組み合わせによる食材の味を1つ1つ評価しているのが、今までにない画期的な試みだと思います。

具体的な内容として、「プリン＋醤油＝ウニの味」というような成功例だけでなく、「焼酎＋キュウリ＝メロンソーダ？」というような無茶な組み合わせまで、1〜8つ星のランクに分けて紹介されています。最高ランクである8つ星の組み合わせは、人間もセンサーも「味がそっくり！」と、納得の結果が出ていますが、4つ星以下の低ランクになると人間もセンサーも「？」という結果が出ており、失敗なりにも興味深い結果がレポートされています。

改めて、味というのは奥が深いものだと思わされました。巻末にweb上で「延長戦」なる追加レシピも紹介されていますが、第2弾を期待したいと思います。