「働く」ために必要なこと: 就労不安定にならないために (ちくまプリマー新書) の感想

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タイトル「働く」ために必要なこと: 就労不安定にならないために (ちくまプリマー新書)
発売日販売日未定
製作者品川 裕香
販売元筑摩書房
JANコード9784480688989
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

品川さんの新著。早速購入して読んだ。身につまされる部分もあった。
「自分にあった仕事ってなんだろう」「やりがいのある仕事」ずっと自分に問い続けてきた命題。彼らの抱える「思い」は誰もが持っているもの。ついつい、若者たちと自分の共通点と差異を脳裏に描きながら読み進めた。

本来であれば、理想と現実のギャップに悩みながらも、いつか大人の階段を登り、自分と社会と折り合いをつけて行く。でも、インタビューに応じていた青年たちは、どこかで階段を踏み外している。それを発達障害というのは簡単かもしれない。でも、発達障害を持っていても当たり前に働いている青年もいる。

私が、長く関わっている発達障害を持つ青年に、「連休に仕事や平日の残業があって大変じゃないの」と聞いたら、「仕事だから仕方ないだろう」という答えが戻ってきた。彼は、自分の世界を持っていてやりたいことはたくさんある。でも、仕事だから………プライベートはのんびりと自分の世界を楽しみ、切り換えて仕事に行く。それが、当たり前の世界。

では、なぜ彼ら彼女らは当たり前のスキルが身につかなかったのか。品川さんは、「上げ膳据え膳の指導」に対して警鐘をならしている。あまりに、至れり尽せりの家庭での子育てや学校教育のおかげで、自らを知る機会を失い自己選択や自己決定ができないまま育って大人になっている。今まで、誰かが何とかしてくれてきた。きっとこれからも。

品川さんは、発達障害の有無にかかわらず、今の時代自立できない大人になるリスクは高いと語っている。以前は、家庭や学校さらには地域が保護要因として働いていたが、今はちょいと霞んでいる。そのためには、自らが気づいて保護要因を増やすことが重要。

最終的には、自分の特性を理解し、対処法を学ぶこと。これは、短所だけを知るということではなく、長所も知り、自分にあった働くための戦略を立てるということだろう。

終章で、LLPでの青年の育ちを描いているが、ただ単に特性を理解するだけではなく、それを支えるコミュニティや人の存在が自立を支える上で大事なのだ。

若者にも読んで欲しいが、支援者と言われている人たちにも読んで欲しい。

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