国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた の感想

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タイトル国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた
発売日販売日未定
製作者上出 洋介
販売元丸善出版
JANコード9784621086902
カテゴリ人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究

購入者の感想

私は研究職で、すでに5本以上の論文を国際誌に載せていますが、国際誌への投稿はいつも悩みの種です。酷い時には1年以上にわたってレビュー ワーとのやり取りが続き、その都度大いに疲弊します。何か自分の論文の書き方に問題があるのではないかと思い、ワラにもすがる思いで本書を購入し てみました。

 しかし残念ながら、本書は初めて論文を投稿する大学院生向きであり、私にとっては特に新しい情報はありませんでした。「国際誌エディターが教え る」という標題からは、何か特別なノウハウが書かれているのかと期待しましたが、ごく一般的な論文執筆法が書かれていました。

以下、個別の内容についてできるだけ建設的にコメントします。

(1) Chapter 1

この章には、論文に関する一般的な事柄、たとえばインパクトファクターやh指数について、また日本発の論文が減少傾向にあることなどが書かれてい ます。読んでいて大変気になったのが、著者が自分自身の考えを書かないことです。例えば日本発の論文が減っている理由について

「2003年にはじまった国立大学の法人化も論文数低下の理由になっていると嘆く人も、少なからずいます。教授、准教授が、法人化に伴う中間目標 の設定や報告書作成に多くの時間をとられ、落ち着いて論文を書いている暇がないというのです。」

と書かれていますが、このことについて著者がどう思うのか記述がなく、読者としてはどう受け止めてよいのか戸惑います。読者が知りたいのはこのよ うな嘆き節の紹介ではなく、「いかに雑用の合間に論文を書くか」というノウハウではないでしょうか?著名な研究者である著者は、そのノウハウをお 持ちのはずです。

(2) Chapter 2

この章は「良い論文」「悪い論文」について書かれています。著者によると、悪い論文とは「文章がストレートではない」「説明が細かすぎる」「他人 の論文を写す、まねる、欠点までまねしてしまう」「難しい単語を使う」「同じ言葉、文章が何か所かに出てくる」なのだそうです。それはそうなので すが、私にとってこれらは既知の事柄でした。

国際一流誌のエディターを務められた著者ならではの内容豊富な著書です。
理系で,英語で論文を書こうという人にはぜひお勧めで,「お値段以上」の価値かあると思います。
割に分量はあるのですが,ぐいぐいと読ませてくれます。

一つ印象に残ったのは,エディターが論文の著者にリジェクトを伝える際,
「レフェリーがリジェクトと言っているからリジェクトする」では済まないのだ,
というような内容の事が書かれていたことです。

私が国際誌に投稿した際に,日本人エディターから上記そのままの文言でリジェクト
された経験が一度や二度ではないので,全く異なる分野のことながら,
このような考えを持ち,実行している日本人エディターの方もいるのだということに感心しました。

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