学習する組織――システム思考で未来を創造する の感想
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参照データ
タイトル | 学習する組織――システム思考で未来を創造する |
発売日 | 2011-06-22 |
製作者 | ピーター M センゲ |
販売元 | 英治出版 |
JANコード | 9784862761019 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 |
購入者の感想
経営をテーマにした本という紹介が多いですが、組織に先立ってまず個人の修養という段階に重きが置かれているため、多分に自己啓発的な要素も含んでいます。
自己啓発的な面では、自己マスタリ、ビジョンの確立という達成において極めて重要な概念が語られます。
最近でもGRITなどのフレームワークで達成のメカニズムが解説されていますが、その源流は本書に見ることもできます。
数多の自己啓発書を読むよりは、この一冊が述べていることを真摯に実践することの方が遥かに助けになるでしょう。
そして本書の価値はそこから更に、自己の達成で止まるのではなく、人同士の組織の達成にまで考えを敷衍したことにあります。
その際に核となるのが、システム思考です。
原題のFifth Discipline(5番目の自己訓練)はおそらくアリストテレスのFifth Element(5番目の元素 = エーテル)をもじったものだと思いますが、
エーテルが物質の四元素の上位に立つ概念であるように、著者はシステム思考を個人における最重要な修養として捉えています。
システム思考は問題を断片的に見るのではなく、全体を全体として捉えるという考え方です。
とかくグローバル化、複雑化し、断片的に物事を見ることに慣れてしまった現代人にとっては、
身近に起きていることが全体の一部分として現れているということを見失いがちです。
本書ではまず手近なシミュレーションゲームを行い、非システム思考的態度で起きる問題を明らかにします。
およそシステム的、組織的な問題に取り組んだ経験がある人であれば、見覚えのある現象のオンパレードです。
ちなみに全体を全体として捉えるという考え方は、體用一源・万物一体という、東洋的な思想では馴染み深いものでもあります。
これまでの西洋思想は傾向として智を最重視し、要素還元的、直線思考的であるという限界があったと言えます。
これを補完するために東洋の思想をミックスした、いわば「現象学的サイバネティクス儒教」がシステム思考です。
自己啓発的な面では、自己マスタリ、ビジョンの確立という達成において極めて重要な概念が語られます。
最近でもGRITなどのフレームワークで達成のメカニズムが解説されていますが、その源流は本書に見ることもできます。
数多の自己啓発書を読むよりは、この一冊が述べていることを真摯に実践することの方が遥かに助けになるでしょう。
そして本書の価値はそこから更に、自己の達成で止まるのではなく、人同士の組織の達成にまで考えを敷衍したことにあります。
その際に核となるのが、システム思考です。
原題のFifth Discipline(5番目の自己訓練)はおそらくアリストテレスのFifth Element(5番目の元素 = エーテル)をもじったものだと思いますが、
エーテルが物質の四元素の上位に立つ概念であるように、著者はシステム思考を個人における最重要な修養として捉えています。
システム思考は問題を断片的に見るのではなく、全体を全体として捉えるという考え方です。
とかくグローバル化、複雑化し、断片的に物事を見ることに慣れてしまった現代人にとっては、
身近に起きていることが全体の一部分として現れているということを見失いがちです。
本書ではまず手近なシミュレーションゲームを行い、非システム思考的態度で起きる問題を明らかにします。
およそシステム的、組織的な問題に取り組んだ経験がある人であれば、見覚えのある現象のオンパレードです。
ちなみに全体を全体として捉えるという考え方は、體用一源・万物一体という、東洋的な思想では馴染み深いものでもあります。
これまでの西洋思想は傾向として智を最重視し、要素還元的、直線思考的であるという限界があったと言えます。
これを補完するために東洋の思想をミックスした、いわば「現象学的サイバネティクス儒教」がシステム思考です。