ターン・バック の感想

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当時はギターを前面に押し出したサウンドプロダクションと、プログレ要素が半減したためTOTOらしくないとの批判が多く前作に比べてセールスも良くなかった本作ですが、今聞いてみるとそれ程悪く感じません。
良質なメロディックハードなサウンド構成であり、現代に多くいるメロディックハード系のバンドに大きな影響を与えた作品に仕上がっています。
曲もプログレ要素は半減したものの次回作のⅣの布石ともいえます。

ただTOTOの割にはハードロック寄りとの評価ですが、スティーブ・ルカサーのギターワークでは力強いリフでガンガンサウンドイニシアチブを取れるギタリストではないですから、普段ハードロックやメタル寄りなサウンドを聴いている人には物足りなさを感じてしまいます。
ギターに比べてベースやドラムは普通のロックサウンドなのも軽さを感じさせる要因になっていて、あくまでも「TOTOの割にはハード」な本作です。

このアルバムはTOTOの主なメンバーが前年にAIR PLAYのアルバムに参加しているのがかなり影響しているのではと思います。AIR PLAYはデイビッド・フォスターとジェイ・グレイドンが組んだハードロックユニットで、だった1枚のアルバムしか出さなかったのに未だにアルバムが売れ続けている伝説的なユニットです。ルカサーはこのAIR PLAYアルバムで主にリードギターを担当しているのですが、リフはジェイ・グレイドンがサウンドイニシアチブを取っていることもあってTOTOに比べるとハードなサウンドプロダクションになっています。当時本作を作成中にこのAIR PLAYのアルバムに参加してますから影響が悪い方向に出てしまったのだと思いました。