モモ (岩波少年文庫) の感想

227 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトルモモ (岩波少年文庫)
発売日2017-07-20
製作者ミヒャエル・エンデ
販売元岩波書店
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別

モモ (岩波少年文庫) とは

   冒険ファンタジー『はてしない物語』の著者であるミヒャエル・エンデが贈る、時間どろぼうと風変わりな女の子の物語である。文章のみならず、モノクロの挿絵までもエンデ自身が手がけた本書は、1974年にドイツ児童文学賞を受賞。小学5、6年生以上から大人まで幅広い年代の人たちが楽しめる、空想力に富んだ小説だ。

   円形劇場の廃墟に住みついた、もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをした不思議な少女モモ。黙って話を聞くだけで、人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持った彼女のまわりには、いつもたくさんの大人や子どもたちが集まっていた。しかし「時間」を人間に倹約させることにより、世界中の余分な「時間」を独占しようとする「灰色の男たち」の出現により、町じゅうの人々はとりとめのないお喋りや、ゆとりのある生活を次第に失っていく。

   本書は、時間どろぼうである「灰色の男たち」とモモの対決というスリルあふれる展開を通して、1分1秒と時間に追われる現代社会へ、警鐘を鳴らしている。たとえば、モモの友だちだったニノが「スピード料理」の店を始め、大繁盛しているせいで他人とわずかな世間話をする暇もないというように、時間を盗まれた人たちは、現代の私たちの姿そのものとして描かれている。昨今、モモのように際限のない時間の中で、空想をめぐらせ楽しむ生活はほとんど忘れられている。子どもばかりでなく、忙しい大人たちにも夢見ることの大切さを教えてくれる本だ。(砂塚洋美)

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

モモ (岩波少年文庫) を買う

アマゾンで購入する
岩波書店から発売されたミヒャエル・エンデのモモ (岩波少年文庫)(JAN:登録されていません)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.