内臓とこころ (河出文庫) の感想
170 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | 内臓とこころ (河出文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 三木 成夫 |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309412054 |
カテゴリ | ジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 医学 |
購入者の感想
著者・三木成夫(1925年〜 1987年)は、経歴から見ると、解剖学者・発生学者というより、特異な思想家とでも思った方がいいかもしれません(それは、一般の学者にとってのことで、私には、至極真っ当な思考の持ち主である)。彼の生前に出版された2冊「内臓のはたらきと子どものこころ(本書の元本)」、「胎児の世界」も、本書の読後に参照、または、読んで見るといいでしょう。死後続々と遺稿が出版されています。本書『内臓とこころ』は保育園での講演をもとにしたものです。本書が異色の傑作と言われるのは・・・帯文にあるように、“「こころ」とは内蔵された宇宙のリズムである”との著者の信念によるからであろう。この考えは、自然科学者として(ニューサイエンティストとしても)頷ける。我々すべての存在は宇宙によって創造されたのであるから、我々には宇宙のリズムが内蔵されているのが当然と思われるからであるし、人間の身体は宇宙に匹敵するほどであるからでもある。著者は、その信念に基づいて、子どもの発達過程における“おねしょ”、“おっぱい”、“空腹感”などの意味を、生命4億年の進化の歴史から記憶を解き明かす“保育園での講演”は面白く、楽しくないはずがありません。ここには、学者然とした語り口などありはしません。
さぁ、老若男女を問わずお読みください。
さぁ、老若男女を問わずお読みください。