ギリシア人の物語III 新しき力 の感想
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参照データ
タイトル | ギリシア人の物語III 新しき力 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 塩野 七生 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784103096412 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般 |
購入者の感想
民主政の崩壊による迷走状態だったギリシャを混迷から救ったのは、マケドニアの若き王だった。
ある意味で独裁者でありながら、月並みな民主政治家よりもはるかに人々の支持を得ていた、というより愛されていたリーダーだったというのが面白い。
そして何よりも結果を出し続けるリーダーであった。
確かにアレクサンドロスには実力や稀有なカリスマ性が備わっていた。しかし、著者の作品には、才能があり、しかもなかなかに魅力的なのに仕事の完成に結びつかない男たちは何人もいた。
個人的な感想として、アレクサンドロスの内部では自分は何をやろうとしているか、当時のギリシャ世界は何をしなければいけないか、ということがはっきりしていたからではないかと思う。
ゴルディオンの結び目のエピソードが象徴するように手段においては常に柔軟でありながら、決して目的を見失わない人だった。
というより、柔軟性というものは、実は、その人の中に確固たる目標があり、それを見失わないからこそ発揮できるものなのではないかと思えた。
これが最後の歴史長編というのは本当に残念。まったく筆力に衰えは感じられないので余計にそう思う。地中海世界だけでなくとも、著者の「男の肖像」には日本の人物も登場する。塩野七生の書いた信長が読みたいのは私だけではないと思う。
思えば、最初に読んだ著者の作品は「ハンニバル戦記」だった。作品を読んでいる間、アレクサンドロスが東の端を、カエサルが西の端を定めた地中海世界を最高の男たちと生きることが出来た。そんな時間を与えてくれたことに心から感謝している。塩野七生の作品に出会えて幸せだった。
ある意味で独裁者でありながら、月並みな民主政治家よりもはるかに人々の支持を得ていた、というより愛されていたリーダーだったというのが面白い。
そして何よりも結果を出し続けるリーダーであった。
確かにアレクサンドロスには実力や稀有なカリスマ性が備わっていた。しかし、著者の作品には、才能があり、しかもなかなかに魅力的なのに仕事の完成に結びつかない男たちは何人もいた。
個人的な感想として、アレクサンドロスの内部では自分は何をやろうとしているか、当時のギリシャ世界は何をしなければいけないか、ということがはっきりしていたからではないかと思う。
ゴルディオンの結び目のエピソードが象徴するように手段においては常に柔軟でありながら、決して目的を見失わない人だった。
というより、柔軟性というものは、実は、その人の中に確固たる目標があり、それを見失わないからこそ発揮できるものなのではないかと思えた。
これが最後の歴史長編というのは本当に残念。まったく筆力に衰えは感じられないので余計にそう思う。地中海世界だけでなくとも、著者の「男の肖像」には日本の人物も登場する。塩野七生の書いた信長が読みたいのは私だけではないと思う。
思えば、最初に読んだ著者の作品は「ハンニバル戦記」だった。作品を読んでいる間、アレクサンドロスが東の端を、カエサルが西の端を定めた地中海世界を最高の男たちと生きることが出来た。そんな時間を与えてくれたことに心から感謝している。塩野七生の作品に出会えて幸せだった。