臆病者のための裁判入門 (文春新書) の感想

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タイトル臆病者のための裁判入門 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者橘 玲
販売元文藝春秋
JANコード9784166608836
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門

購入者の感想

著者のブログに「はじめに」と「目次」が掲載されています。
http://www.tachibana-akira.com/2012/10/5002

第一章は大手損害保険会社とのトラブルにより、民事調停、少額訴訟、簡易裁判所、地方裁判所での右往左往から最終的には高等裁判所までもつれ込む体験談は、事実にもとづいた細かな描写が多く、読み物として面白くできていると思います。

第二章で少額民事紛争のある程度のまとめがあり、これは当事者になったときにはこんなことが必要なのか、という心構えとして役立つのではないでしょうか。現在は金融ADR制度があるため、本書のような大手損保との民事紛争はあっさり解決するのかもしれません。こういったADR制度がもっと広まると、消費者としては助かりますね。

交通事故をめぐる保険金請求の手続きで生じた保険会社とのちょっとしたいさかいについて、著者が原告の補佐人となり、東京高裁で実質勝訴??を勝ち取るまでの過程が描かれます。

訴訟手続きや裁判官、事務官とのやりとりが具体的に書かれていて、そこがとてもおもしろいと思いました。ADR制度などもまとめられていて、制度の概観にはよいのではないでしょうか。これから少額訴訟や簡裁などに訴える予定がある方は一読をおすすめしたいと思います。

著者も言うように、こうした司法の領域は「ブラックホール」で、ずぶの素人の訴訟経験談などをまとめた本は非常に少ないと思います。売れないからでしょうか。。。今後こうした本がどんどん増えることを個人的には期待しています。

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