検察―破綻した捜査モデル (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル検察―破綻した捜査モデル (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者村山 治
販売元新潮社
JANコード9784106104817
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 無能な働き者? 殺すしかないじゃん。
 そんな格言を地で行くような、本書の登場人物たち。

「特捜検察には戦後の検察と刑事司法の矛盾が凝縮しています。それゆえ、特捜検察の
在り方を変えることは、検察全体を変え、ひいては、警察や国税当局などの捜査、調査の
在り方を変えることにもつながります。/検察は国民の期待に応えるため、自ら『変わる』
ことが必要です。……検察は国民の大切な共有資産です。国民はそれに対し、無関心で
あってはいけません。権限と税金を与えた検察という組織や検察官や事務官に対して関心を
持ち、意見を言い、議論をしなければなりません。……その一助として、検察にまつわる
基本的な情報と、検察に関する私の見方を本書にまとめることにした次第です」。

 本書内で乱打される表現、「〜なのだと思います」、「〜ではないでしょうか」。
 メディアの本来の役割とはそんな論拠に乏しい臆見を垂れ流すことではなく、「〜なのだ」
という見解に各市民が至るため、あるいは逆に一般には当然とされている社会的な問題に
懐疑の視点を持つため、その判断に十分な資料を取材に基づいて提示することに他ならない。

 本書の稚拙、それは何よりも自らが批判しているはずの検察の種々の問題点とまったく
同様の腐敗構造を呈したメディアの終焉を、それと終始気づくことなく暴露してしまっている
点にある。
 例えば日本の刑事裁判における自白偏重の問題、ところが筆者が訴える検察担当の
仕事といえば、ただ執拗に食らいついて検事からのコメントを取ること。確たる証拠収集を
怠り、証言に対して狂った比重を見出すスタンスを取ることにおいて、この両者、まさしく
同じ穴のむじな、と切り捨てる他ない。「『守秘義務の壁』を破るために、記者は相手の
人間性に訴え、公式のガードの中に入るべく努力します。早朝の犬の散歩に付き合い、
休日の行楽の運転手をつとめる」なんてことを誇らしげに自らの仕事として語るのだが、
こんな醜い茶番を読者に労ってもらえるとでも本気で思っているのだろうか。

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