TREASURE の感想

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入手しました。
モントレーのライブではないかと想像される演奏（何周年かの日本のライブかもしれません）、未発表のバードランドでのライブではないかと想像される演奏、既成トラックのミックスダウン違いなどなど、バラエティに富んでいます。
演奏も、”良い時”の世良さんです（笑）。”良い時”の世良さんは、あなどれません。
この年代のピアニスト（秋満さん、八城さん、前田さんなどなど）の方々は、「ジャズピアニスト」というより、「ザ・ピアニスト」です。
カーメンキャバレロのようなムードピアノ、スイング・モダンジャズ、ラテンピアノ・・・なんでもこなし、ジャズにもその要素が溢れています。ですので「モダンジャズではない」とかそういう批評は、まったく当てはまりません。そして、この作品は「ジャズピアニスト」としての世良さんの良い面が全面に溢れています。

「枯葉」では両手のユニゾンのアドリブ、「マイワン・・・」では、世良さんのうなり声入りの演奏が聴くことができます。
詳細なパーソネルはないですが、「モーニン」のライブのメンバーはだれでしょう？白木クインテットでしょうか？

「Alright OK,you win」は、おそらく世良さん最後の録音ではないかと思われる「フクダヨシコ」さんのライブのものです（私はＣＤを所有しています）。
本当はここで演奏される「スキヤキ」を是非入れて欲しかったと思います。
坂本九さんが、飛行機に乗るとき、空港で坂本さんと話をしていたという世良さんは、その後ずっと、「あの時、もし・・・・」と語っていたそうです。
今は仲良く、向こう側の世界で演奏などしているのでしょうけれども。

・・・数ある世良さんの作品の中でも、お奨めの一枚です。

（以前、ここのレビューに”フェードアウトしている演奏がある”がある、というものがあったように記憶していますが、そういうトラックは一つもありませんでした）