放浪記 (岩波文庫) の感想

167 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトル放浪記 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者林 芙美子
販売元岩波書店
JANコード9784003116937
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » は行の著者

購入者の感想

・「底本」について 
P573に『林芙美子全集』(1977年、文泉堂出版)とあり、またP564に『放浪記』(昭和25年、中央公論社)を底本にしたと述べ、矛盾している。『放浪記』にはたくさんの版本があることはよく知られているが、この岩波版『放浪記』を読むと誤植の痕跡から「中央公論社」版を用いていないことは明らかである。とすると文泉堂版が底本か。実はこの文泉堂版の『林芙美子全集』に問題がある。この全集ほとんどが『林芙美子全集』(昭和26年新潮社)をコピーし順序を変えただけのもの。新潮社版に未収録の作品と年譜・目録を付け加えたものだが、ほぼ新潮社版と考えてよい。編集は岩波版の解説者今川英子氏。限定500部、定価118,000とかなり当時としては高価。限定500ということでほとんど古書店でも見かけない。Aという出版社の全集をコピーし、Bという出版社から表紙と変え順番を変え出版する。またその一部をCという出版社から文庫版で出す。Aが新潮社、Bが文泉堂出版、Cが岩波書店。こんなことが可能なのか、岩波書店にぜひ尋ねてみたい。
・注の誤り
P73、友谷静栄(1898-1950)は誤り。(1898-1991)が正。
P81、壺井繁治(1899-1975)は誤り。(1897-1975)が正。
P81、野村吉哉(1903-1940)は誤り。(1901-1940)が正。
P323、徳田秋声(1871-1943)は誤り。(1872-1943)が正。
・今川英子氏の解説について
P562 昭和21年版の『放浪記』『続放浪記』(改造社)を初刊本の「復刻」と述べているが、実は「復刊」。明らかに昭和5年版とは違う。
また、重要な改造文庫版『放浪記・続放浪記』(昭和8年)について触れていない。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

放浪記 (岩波文庫) を買う

アマゾンで購入する
岩波書店から発売された林 芙美子の放浪記 (岩波文庫)(JAN:9784003116937)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.