半値になっても儲かる「つみたて投資」 (講談社+α新書) の感想

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本書は前半を積立投資の説明に充て，後半を著者の略歴に割いている．投資の勉強には前半だけ読めば良い．

さて，積立投資だが，これはドル・コスト法と呼ばれる有名な投資手法だ．未来は知り得ないので，ランダムに動く株価を予測することは困難で，天井で買うことも有れば，底で買うことも有る．そこで，一定の時間間隔で買うことで，購入機会を分散させ，リスクを抑える訳だ．更に定額購入により，株価低迷時に大量に買い付け，安く買って高く売るオペレーションが自動的に行われる．一見無策に見えて実は理に適った手法だ．

本書では多くのケースについてシミュレーションを行い，そのメリットを説く．特に目を引くのは「株価が投資開始時より半減しても利益が出るケース」で，意外性のある効果的なサンプルだ．このカラクリを合理的かつ明瞭に説明できる人は本書を読む必要はない．が，そのレベルに未達の人には有用な一冊と云える．