アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男 の感想

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参照データ

タイトルアントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男
発売日販売日未定
製作者エレーナ ジョビン
販売元青土社
JANコード9784791756674
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

冒頭の「幕開け」で、病院や手術が大嫌いで心臓の手術をなかなか受け入れられないジョビンの葛藤が描かれる。
やがて運命を許容し愛する我が家と家族と別れニューヨークへ旅立つジョビン・・・、手術のために。

「終章」、手術は成功するはずだった・・・、しかし弱っていた心臓は手術に耐え切れず発作を起こしジョビンは死んでしまうのだった・・・。
その最後の様子や病院での時間の流れが生々しく詳細に描かれ、読んでいて辛かった・・・。

あんなに美しい音楽を作ったのに、その音楽で数え切れない人を幸せにしたのに、その人に無慈悲に訪れ命を奪った死って奴が、私は憎い・・・。

その過酷な生死の現実にはさまれた構成になっている、本文ジョビンの生涯。
実の妹エレーナ・ジョビンによって愛をもって描かれ書かれた本書、身内ゆえ過大に描写されることも無く、あくまで一人間としてジョビンの生涯を丹念に辿る。
豊富な写真も貴重だし、興味のある方は是非一度手にとっていただきたい。

巻末、山下洋輔の解説「等身大の栄光」(24ページ)が読み応え充分なのだ。
ユーモアも交え、ジョビンの音楽とジャズとボサノヴァの関係を考察していて必読。
国安真奈の訳者あとがき「愛してやまない場所が、いつでも帰りを待っている」(6ページ)も良い。

膨大なディスコグラフィー、人名索引もありがたい。

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