「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469) の感想

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タイトル「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)
発売日販売日未定
製作者中野 京子
販売元NHK出版
JANコード9784140884690
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

本書は“名画”関連の解説で著名な中野京子氏に依る最新刊である。元々著者は作家・ドイツ文学の研究者と言う履歴のようであるが、様々な切り口・コンセプトに基づく名画関連の解説書を多く書いているように思われる。これまで幾つかの先行著書を読んでいるが、著者の特徴として歯切れの良い明瞭な論旨と筆致は読みやすく、名画の持つ意外な側面や作者・時代背景を適切に織り込むなど理解しやすい。本書もその趣旨は『絶筆』の作品を一貫した主要テーマとして、主として15世紀半ば(ボッティチェリ)から18世紀後半(ゴッホ)までの画家とその作品についての人物史と言って良いものである。ただ私見ながら、これまでの先行著書同様に“歴史的事実”に関する実証性につき、画家の人となりあるいは背景事情と言う“歴史”(実証主義からの考証)を語る上で不十分と思う。人物の生い立ち・史実を始め、周囲との関連事実・背景事情の客観性・信頼性などを担保する上で、事実(人間)関係や会話等の典拠史資料の明示・参照を明確にすることは必要不可欠のはずである。かかる実証性を担保してこそ、より高次の著者の名画鑑賞解説も活きるのではないかと考えるからである。初端から注文になってしまったが、構成・内容はこのページの「商品の説明」及び「目次を見る」に詳しいので本稿では敢えて取り上げないが、新書で1188円ながら全ての名画がカラー印刷ではない(感覚的に掲示数で観るとモノクロとカラーは同数程度の印象)ことも付け加えておきたい。

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