オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集 (光文社古典新訳文庫) の感想

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タイトルオリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集 (光文社古典新訳文庫)
発売日2015-06-11
製作者ゾラ
販売元光文社
JANコード9784334753122
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

購入者の感想

記憶に残っている限りでは、これまで、光文社古典新訳文庫にゾラの作品は収録されていないように思う。今回、短編集にて初登場である。
分量は「オリヴィエ・ベカイユの死」(約62頁)、「ナンタス」(約70頁)、「呪われた家―アンジェリーヌ」(約26頁)、「シャーブル氏の貝」(約74頁)、「スルディス夫人」(約74頁)で、「呪われた家」だけが短い。
年代は、「呪われた家」だけが1898年に書かれたゾラ最後の短編で、他の作品は1876年から1880年に書かれている。
内容は、「オリヴィエ・ベカイユの死」「呪われた家」が幻想小説、怪奇小説の味わいがあり、他の3編は現代社会小説、現代風俗小説である。そして、「呪われた家」以外の4編は、男と女の話である。
たくさんあるというゾラの短編の中から、5編を厳選して訳すのだから、選択の基準が興味深いが、訳者は一番面白いものを選んだと書いている。そして、作者の面白さの基準を満たす作品群の中から、「オリヴィエ・ベカイユの死」「ナンタス」「シャーブル氏の貝」はフランスでもっとも人気のある作品という理由で、「スルディス夫人」、「呪われた家」は作者の好みで選ばれたようである。
結末はすべてハッピーエンドであると思う。もっとも、完全なハッピーエンドは「ナンテス」だけで、残りは微妙なハッピーエンドであるが、少なくとも、最悪の結末、後味の悪い結末はない。読者が安心して読める作品が選ばれているように思う。
私的感想
●「ナンタス」「シャーブル氏の貝」「スルディス夫人」の3編が大変面白かった。
●「ナンタス」は一文無しの若者が、男爵令嬢の夫となり、事業に大成功して、財務大臣にまで出世するという大長編向けのプロットを、「愛」に焦点を絞って、短編にまとめたもの。ラストが感動的。

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