ライフ の感想
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参照データ
タイトル | ライフ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | キース・リチャーズ |
販売元 | サンクチュアリパプリッシング |
JANコード | 9784861138133 |
カテゴリ | ジャンル別 » エンターテイメント » 音楽 » 海外のロック・ポップス |
購入者の感想
発売初日に購入、完全訳でないことに愕然とし、パラパラ読みでレビューしましたが、翻訳版を読み終えたので、レビューし直します。よくて95%訳と書きましたが甘かった。訳されたのは80〜85%。訳も粗く、欧米でベストセラーになり、辛口の批評家からも高評価を得た原作とはもう別物、という印象です。それでも、多分読んだ人は面白く読めたと思いますが、それは原作のできが非常に良いから。キースは、天から曲が降ってくるタイプの天才ですが、その降ってきた曲がどういう曲なのかの分析ができて、さらにそれをウィットに富んだ言葉で語る能力がある。そして、その能力が、楽曲だけでなく、周囲の人々や社会にも発揮されるのですから、面白くないわけがありません。各エピソードの時代的背景とそれに対する考察がきちんと書かれていますので英国・米国の戦後の文化史としても出色。加えて、恐ろしく率直な語り口。そのときに何を考え、どうしたのかが、「今から思うと」という反省抜きに語られます。だからアラン・クラインに対する評価も、薬に対する考え方も、時々刻々と変わり、キースとともに時代を駆け抜けて行くような、圧倒的な臨場感があります。その意味では、回顧録というよりドキュメンタリー。ファンにとっても初耳という話も盛り沢山です。