「偶然」の統計学 の感想

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タイトル「偶然」の統計学
発売日販売日未定
製作者デイヴィッド・J・ ハンド
販売元早川書房
JANコード9784152095602
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 確率・統計

購入者の感想

統計学の理論的な説明はほぼ無く、事象をどのように判断するかという統計リテラシーに焦点を当てた内容である。身近な事象が具体例として挙げられていて、読んでいて内容が入ってきやすい。また、それらの事象について様々な視点から分析,判断していて、統計的(科学的)な物事の見方,考え方を知ることができる本である。
しかし、訳文が非常に読みにくく、本の内容とは関係のないところで何度も読み返しを余儀なくされる。原文のニュアンスが日本語として表現しにくいなどの理由もあるかもしれないが、それを差し引いても日本語的におかしい箇所が多々ある。訳者あとがきの文章は簡潔明瞭で分かりやすかったが、本文ではそれが全くみられない。一文一文を直訳して並べているだけに感じる箇所も多い。少なくとも私は、本文の内容よりも訳の日本語と格闘することばかりであった。

イギリスの統計大家による、標題のとおりの本。

読み物として面白いが、ところどころ捻りが効きすぎて真意がつかめないところがあります。

本書のうち気になった部分を抜書きしておく。

・金正日は1994年の初ゴルフを38アンダーでまわった。ラウンド中にホールインワンを11回達成。その偉業を17名の護衛が見届けた。
・偶然とは根本原因がわからないという問題であって根本原因そのものの問題ではない。
・十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない(アーサー・クラーク)
・「奇跡のXX」は本気で奇跡が起こったと思っていっているのではなく「可能性は低いが現実の範囲内の物事が起こったという意味」で使っているにすぎない。
・カジノで使われている「完璧なサイコロ」は米国連邦法で5000分の1インチの精度を求めている。
・「発表バイアス」は否定的な結果を報告する実験よりも肯定的な結果を報告する実験の方を発表しがちであるということ。
・「条件付確率(AのもとでBが起こる)」は一般には起こりえないのに特定の環境でなら起こりそうなことを表現する重要な側面を持つ。
・宝くじは貧乏人からカネを巻き上げる手段(という人もいる)
・宝くじの宣伝文句「それはあなたかも!」(でもそれがあなたである確率は無限に小さい)
・良いパフォーマンスにおける偶然の貢献分は次回になくなる可能性が高く、パフォーマンスが下がったようにみえる(平均への回帰)。
・好機は備えあるものにのみ味方する(パスツール)
・科学理論が観測結果と一致しない場合は1.データの不備 2.理論の誤り
・金融関係者は相場の変動は大雑把には正規分布に従うが厳密に従っているわけではないと認識している。
・「確率てこの法則」が忍びこんで正規分布からのごくわずかな逸脱に乗じてそれを増幅しゆくゆく途方もない影響を及ぼす。
・ある種のテストでは男子の得点の方が女子より分散が大きい傾向にある(点数の平均からのバラツキが女子より大きい)
・本当はコーシー分布なのに正規分布だと思い込んでいたならば確率を過小評価することになる。

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