拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 の感想

644 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトル拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々
発売日販売日未定
製作者蓮池 透
販売元講談社
JANコード9784062199391
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

※サンプル画像

購入者の感想

私は、本書における蓮池氏の主張を全て鵜呑みに出来る「自信」は無いし、当然ながらその真偽を検証する手段も持ち合わせていない。
それに「安倍晋三と冷血な面々」というタイトルは、あまりに「商売臭」が色濃く立ち込めすぎている、という印象を払拭出来ない。
それ故「★5つ」という評価を献上するのは大いに躊躇する。「★4つ」に減点したのはそういう理由だ。

それでも、拉致問題の当事者である蓮池氏が、様々な「リスク」を恐らくは充分承知の上で、この本を上梓したという重みは決して看過してはならないと思う。

安倍内閣が、「拉致問題は内閣の最優先課題」と何度となく主張しているにも関わらず、「解決」どころか「進捗」すら微塵も感じられない原因を、私はこれまで「内閣の能力と実行力の無さ」と考えていたが、どうもそれだけでは無いようだ。「家族会」と「救う会」のおカネを巡る醜態は、正直「やっぱりね」という感想。
「拉致問題解決」に対する世間の目がどこか冷めているのも、この点についての疑念と胡散臭さを感じている人が少なくないからでは無いか。

北朝鮮による拉致行為は断じて許されない暴挙である事は論を待たない。しかし、本来「被害者」の立場である筈でありながら、「拉致問題」や「北の脅威」を自分たちの利権、私利私欲のための「手段」としか考えない人たちが存在するという「事実」には、それ以上の嫌悪感が湧きあがってくる。どれだけミサイル発射等で北朝鮮が挑発しようが、「遺憾」「容認出来ない」という決まり文句を発する事以外しないのも、問題を「解決」してしまったら、「北朝鮮の脅威」というネタを使えなくなるから都合が悪いのか?とさえ、勘繰ってしまう(そんな事は無いと信じたいが)。

ともあれ、大変な問題作である事は間違いない。「拉致問題」が決して勧善懲悪の綺麗ごとでは無いという「タブー」に果敢に切り込んだ著者の勇気には、素直に敬意を表したいと思う。

この本は、1978年に北朝鮮に拉致された蓮池薫さんの実兄が著した本である。
透氏は、西暦2003年頃まで、いわゆる「家族会」事務局長を担当するなど、有力メンバーだった方である。
本書では、薫さんが行方不明になった経緯から、著者の透氏が以後20年以上も、試行錯誤を繰り返しながら、自らの半生を賭けて、弟夫妻の捜索と、最終的には北朝鮮の仕業であると突き止めて、拉致された被害者の奪回に向けて奔走してきた姿を回顧している。
我々一般人は、新聞やテレビなどのマスメディアで断片的なドキュメンタリーで知っていたつもりだったが、一人の当事者が、綿々と一冊の本に仕上がるまでに、書き綴った本書を読むと、今更ながら残された家族の苛烈な半生に、万感の想いを馳せてしまう。
「家族会」の内部の一般人が知ることの出来ない赤裸々な現実も記されている。確かに透氏の指摘のごとく、拉致被害者の「家族会」は、マスメディアはおろか、我々一般人の間でもなかば「神格化」された存在であることには異論をはさむ余地はない。 
そして、弟夫婦の帰国によって「家族会」の内部で微妙な温度差が生まれたことも記されている。 メディアも一般人も、「神格化」されたその内部の状況について、コメントを挟む余地がないという状況の中で、元「家族会」の有力メンバーの透氏の本書の記述は、ドメスティックな議論が先行するなかで、とても重要な記述だと思う。
先の大戦を経た歴史の時間軸を縦軸に、我が日本をとりまく極東アジアという地政学を横軸に、そこに大きな歪みが生じており、その歪みは、戦後70年を経ても、北朝鮮とはまともな外交条約も締結できていないという現実となって引きずられている。

この大きな歪みを解消できるのは、政治の力でしかない。しかし、透氏は、日本の政治は、拉致被害者の問題解消に向けてとても積極的とは言えないと説く。むしろ、北朝鮮にとって、拉致被害者問題が外交カードであるのと同じく、日本の政治家にとっても、選挙のためにドメスティックなポピュリズムに火を付ける格好の集票カードではないのか、と説く。わたしには政治家の真意はわからないが、少なくとも自らの半生を賭けて、弟夫妻の奪回に奔走してきた透氏の目にはそう映るのである。

 蓮池さんの勇気に敬意を表します。

 レビューの中に、信じがたいほど蓮池さんの文意をねじ曲げたものがあるので、レビューを頼りに本を買うか決めようとしている人たちのために、ひとこと、問題点を指摘しておきます。
 断っておきますが、どんなものについても、否定的評価を下すのは、その人の自由です。しかし、本の内容をろくろく読解出来ないで批判するのは、反則と言っていいでしょう。

 蓮池さんは「本書で関係者を断罪することを意図するものではない」と書いているのに、本書は断罪ずくめじゃないか、という評価は、頷けなくはありません。
 ただ、「北朝鮮側に大きな問題があるのは自明だが、日本側の対応にも問題がないか、それをすべてあぶり出し・・・」とある通り、実情を書いていけば、関係者の責任を問うことになるのは、必然の成り行きです。
 これを矛盾と捉えるのは仕方がないにしても、デタラメな引用はやめてもらいたい。

 <横田夫妻が小泉元総理を叱りつけたことが拉致問題の解決の意欲を失わせたとか書いてある。
横田夫妻は愚かで、小泉元総理は下劣なのだそうだ。
だが自分が安倍総理を罵倒するのは偉大な行為らしい、どういう違いがあるのだろうか?>

 どういう違いがあるかは、この本を読めばわかるでしょう。(横田さんを「愚か」とか、小泉さんを「下劣」というのは、このレビュアーの勝手な表現で、本書に出て来るものではないことをお断りしておきます)

<拉致被害者が北朝鮮に帰らなかったのは政府の方針ではなく、自分が弟を説得したためだ、という事が書かれてある。
でもその数行前には、弟は完全に洗脳され自分の言うことをまるで聞いてくれなかったとなっている。>

 第一章「拉致を使ってのし上がった男」を指しているが、P74の「あえて強調したい。安倍、中山両氏は、弟たちを一度たりとも止めようとはしなかった。止めたのは私なのだ」とありますが、その数行前には、「弟は完全に洗脳されて自分の言うことをまるで聞いてくれなかった」とは書いてありません。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 を買う

アマゾンで購入する
講談社から発売された蓮池 透の拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々(JAN:9784062199391)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.