「甘え」の構造 [新装版] の感想

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タイトル「甘え」の構造 [新装版]
発売日販売日未定
製作者土居 健郎
販売元弘文堂
JANコード9784335651069
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

初版以来30年以上経つ書であるが、私が購入したのは増補普及版として今年新たに上梓されたもので、『「甘え」今昔』という短い章が冒頭に新たに付加され、著者自ら本書を現代的な視点で振り返り、「甘え」心理について新たな考察を述べている。相手が自分に好意を持っていることを前提とする「甘え」に対し、今日では好意があると思わせたい、あるいは思い込みたいという意図から、甘えを演出する「甘やかし」や「甘ったれ」が大勢を占めているという指摘は興味深い。
一方、中核の本文自体は変わらないため、論拠となる社会背景が現在とは大きく異なり、古さを感じざるを得ないところは多々ある。また、精神分析・哲学・心理学史や比較文化論についてある程度の知識があった方が深く理解できると思われ、これらに疎い私には充分に理解できないところも多くあった。しかしそれでもなお多くの示唆を得られたと感じる。日本人を始めとして存在する通奏心理としての「甘え」を切り口に、他者や集団との強い同一化やその反動としての排他性、受身的な愛、公私混同、幼児性を保持したままの大人化などの観点である。
また、個人や共通言語圏、それぞれの時代ごとに形成される言語による認知世界観と、非言語的な心理世界との関係性について思索し、現代の脳科学や認知神経科学による研究への興味を惹きたてる契機を与えてくれるものでもある。

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弘文堂から発売された土居 健郎の「甘え」の構造 [新装版](JAN:9784335651069)の感想と評価
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