ひと目の石田流 (マイナビ将棋文庫SP) の感想

351 人が閲覧しました

本書では後手が袖飛車急戦を狙ってきた場合、▲７八金と上がる対策を紹介しています。確かにこの方が先手指しやすいと思います。というのは、戸辺先生の「石田流の基本」では（▲６六歩△６四歩型の場合）早めに▲５八金左を決めて乱戦を避ける指し方を推奨していて、長らくそう指していました。
実際のところ将棋倶楽部２４のR１０００以下クラスの実戦においては後手は袖飛車急戦を狙ってくるのが一番多い指し方です。▲５八金型だと後手が左銀を動かさないで▲２二角成を△同銀ととれるようにする作戦が厄介です。戸辺先生の本には後手△４二銀からの高度な袖飛車しか紹介されておらず正直困っていました。なるほど▲７八金の余地を残しておけば単純な袖飛車はなんとかなりそうです。乱戦への対策も講じられているのでもう大丈夫です。

とにかく解説が非常に熱心で読んだだけで強くなった気がします。これからも３手目▲７五歩を愛用したいです。

長岡さんは羽生さんに指名され、練習パートナーを6年されていると
ＴＶで見ました。またニコ動などでの解説もとても分かりやすいと思います。
前著の『ひと目の中飛車』が分かりやすく、作戦の幅を広げるために購入しました。
江戸時代からの歴史ある石田流ってカッコいいなあと知ってはいましたが深く理解できました。
次の一手形式なので、初心者の方が盤にならべなくても学べる良書です。