ウォールデン 森の生活 の感想
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参照データ
タイトル | ウォールデン 森の生活 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヘンリー・D. ソロー |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784093874953 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » イギリス・アメリカ |
購入者の感想
動物行動学書の翻訳、子供向きには「シートン動物記」でおなじみの今泉吉晴氏の翻訳版
レイアウトも読みやすく完成度が高い。すでにたくさんの翻訳が存在するが、一番のおすすめである。
レイアウトも読みやすく完成度が高い。すでにたくさんの翻訳が存在するが、一番のおすすめである。
「森の生活」なんと心惹かれる言葉だろうか。この本の帯にあった「誰もが途中で挫折した名著」の文句に思わず苦笑した。何を隠そう私の本棚にも文庫の翻訳本が2冊並んでおり、読みかけたままやめてしまっていたからだ。古書を思わせる装丁の、今回の新訳本を手にとって以来、読書の時間を見つけるのが楽しみになった。ワイエスが描いた絵、釣りをする若きソローの姿にも驚いた。ソローは20代でこの本を書き始めたのだという。そんなに若々しさにあふれた本だったのか。ページをめくるごとに驚きが広がり、夢中で最後まで読んでいった。第4章「音」のカエルが鳴く夜の池の描写では、夜の森にひそんで耳を傾けるソローが思い浮かび、ひじょうに親しみを感じた。ソローはどれほどの時間を、森の散歩に費やしたのだろうか。どの章も、まるで現代の日々の暮らしに悩む我々に直接語りかけているようで、150年前に書かれた本とは思えない。古典とはいつの時代にも生きているのだと、改めて感銘を受けた。冒険心にあふれるソローに出会いたい人に、ぜひともお薦めしたい本だ。