どうする? 日本企業 の感想

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タイトルどうする? 日本企業
発売日販売日未定
製作者三品和広
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492532911
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » オペレーションズ

購入者の感想

現代の日本の大企業が陥っている苦境を詳細に分析し、これからの経営へのヒントを与えてくれる本。
具体的な企業分析が詳細で独自のユニークな視点もあって引き込まれて、一気に読めてしまうとともに、深く考えさせられた。

企業事例として挙げられているうち印象的なのは、かつて世界を席巻したセイコーとヤマハである。
セイコーは水晶振動子という革新的技術を使って正確な時計を作り出したものの、安価な香港性の時計に苦しめられ、ブランド価値で勝るスイス勢に完敗している。これは、大量生産品では価格競争力に勝る国には対抗できない好例である。
一方で、ヤマハはピアノという分野で規格大量生産を確立して世界市場を席巻したものの、円高に苦しめられ生産台数では韓国中国に遠く及ばない。また、品質面でも、コンサートピアノではスタインウェイに追いつくことができず、その後の経営多角化も失敗し苦境にあえいでいる。

以上二つの事例の反例として、GEをあげている。もともと家電メーカーであったGEは日本企業の攻勢にさらされて、正面切って戦うことを避け、競合しない分野に注力して成功している。これが日本企業へのヒントとなる。

また、本書ではデータを示しながら、われわれの常識とは異なる実像を二つ示している。
まず、1960年以降の日本の上場企業の売上高と利益率の推移を見ると、オイルショックやプラザ合意など大きな事件とは無関係に一貫して利益率が低下している。
中国の分析も興味深い。戦後の日本と文化大革命後の中国の一人あたりGDPの伸びを重ねあわせてみると、中国の「高度成長」は大きく見劣りすることを示していることがよくわかる。

そして、いまや強烈な指導者を持たない日本企業へのヒントとして、スティーブ・ジョブズを例に、リ・インベンションを提唱する。

本書は主に日本の企業向けに書かれた本であるが、「成長神話」に囚われているのは、日本という国も同様である。

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