地域包括ケアシステム構築のためのマネジメント戦略―integrated careの理論とその応用 の感想

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地域包括ケアシステムにこれから取り組むにはいろんな方法があると思うが、一つの理想とする概念を前半で把握できるようになっている。また、後半では、考え付きそうな取り組みの中ですでに否定的な結果が出ているものの紹介もしてあり参考になる。「連携」にLinkage、Coordination、Fll Integrationがあるようで、どの意味で使っているかを自分でも気にしながら人の意見を聞き、考えるようになってきた。全体的に読みやすく、参考になる。

海外の様々な地域包括ケアのモデルが紹介されているのですが、正直筆者自身が消化不良なのではないかという感想です。つまり、これらのモデルが日本の地域包括ケアにどう関係しているのかとか、うまく伝えきれていないように思います。

ある海外のモデルが大雑把に紹介され、単に参考になるとか、応用すべきといわれても、その研究結果がどう参考になるのか、どう応用すればよいか、そもそもそのモデル自体がきちんと紹介されていないのでさっぱりわからないところがたくさんあります。つまり、海外のモデルの紹介に否定的なのではなく、その紹介が中途半端だということです。本当に応用しようと思ったら、自分で原典に当たる必要があります。

ただし、海外の事例から日本の包括ケアの取り組みを考察すること自体に類書はなく、重要なことであると思うこと、また、自分で論文を調べる際の参考になる論文が多く挙げられていることは本書の利点です。さらに、日本について書かれている箇所は参考になる点が多く、正直必要以上に海外の理論を紹介しすぎて本書の価値を損なっていると感じました。II-2から読み始めて支障はないし、上記のような疑問も感じないで済むと思います。