数学史 ―数学5000年の歩み― の感想

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タイトル数学史 ―数学5000年の歩み―
発売日販売日未定
製作者中村 滋
販売元共立出版
JANコード9784320110953
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般

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 数学5000年の歩みを通読可能なスタイルでまとめてあります。学問の規範である数学への情熱を掻き立ててくれる手引書でもあります。

 数学とは現実世界にあるものをモデルにして「抽象化」と「理想化」を行い、頭の中で理想化した対象に対して永遠に成り立つ法則を探究する学問です。中世イタリア商人の貿易から利息計算や複式簿記が生まれたように、確かに必要は発明の母ですが、歴史を見ると、実用性に密着しすぎると進歩できなくなり、むしろ衰退します。エジプト数学と中国数学にそれが見えると書かれています。

 実用数学から体系的学問へと発展させた、今は名前を知ることのできない古バビロニア時代の書記の数学的資質(天才)に共感してください。バビロニア数学がピュタゴラス学派を通じてギリシャ数学の材料を与えた(p100)。後者が前者を凌駕したのが、厳密な議論・証明による非通約量(無理数)の発見であった。やはり観照的な面、実用から離れた遊び心と自由な想像力が重要であるということでしょう。

 シャルトルのベルナールによる十二世紀ルネサンスの象徴的な言葉(p149):「われわれは巨人の肩の上に乗っている小人のようなものである。それゆえにわれわれはその巨人たちよりもっと多くのものを見ることが出来るし、もっと遠くまで見ることも出来る。」もいかがでしょうか。

 桁の多い数値の掛け算を足し算として扱える対数の発見は単為生殖のようである、と書かれていましたが、薬物の用量、濃度を扱うときにはなくてはならず、常々「対数は数値の民主主義です。薬物の用量や濃度を表す際に必須の技です」と訴えてきました。

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