古文研究法 (ちくま学芸文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 古文研究法 (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小西 甚一 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480096609 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
私は理系の人間ですが、高校の時にこの本に出会ったおかげで、数学と並んで古文が大好きでしたし、いまも少しも変わっていません。はしがきの部分からいきなり読者にわくわくした期待感を持たせ、そのまま本文に突入すると『ありゃりゃ、何か随分と難しい。』と思わされますが、辞書やもっと簡単な参考書の文法のまとめなどを参考に読み進めていくと、古文のそして著者の学問に対する素晴らしさに涙が出てくる瞬間さえありました。これをしっかりとものにすれば、あとは自分が読みたい古典を辞書片手に読みこなせるようになりますし、何より学問を身につけることの素晴らしさと、そこで必要とされる姿勢、ある種の愚直さと自由度の高さ、想像力などを実感出来るはずです。今のような時代だからこそ、この本をあらゆる立場にある人に手に取ってほしいと思います。
定評ある学習参考書がちくま学芸文庫に収められた。
文庫化されたのは、大人向けの教養書としての位置付けを得たということであろう。
しかしここではあえて、現役高校生のための学習書としてどうかを考えてみた。
体裁からすると文庫版なので、机上でしっかり取り組むには向かない。
他方で、常に鞄にいれておいて通学時間に読むような使用法には向いている。
解説のスタイルは、読者に語りかける講義調とでもいうもので、最近はやっている
「予備校講義の実況中継」のハシリだと思えばよい。
もちろん予備校講師のように受けを狙うことはなく、一流の学者として、親切丁寧に、
かつ優雅で余裕たっぷりの名調子であるから、よみやすい。
内容は問題演習が中心。基本的な文法はあらかじめ知っていることが前提なので
実際には何か他の参考書を終えてから、次に挑戦する本ということになるだろう。
本書に先立つ参考書として、同著者の「古文の読解」(ちくま学芸文庫)も考えられる。
同書は本書よりも入門的であり、解説にもイラストがあったりして分かりやすいのだが、
しかし基本の基本はやはり省かれているので、最初の一冊にはなりにくい。
とはいっても文法だけの問題集をやるのも無味乾燥で味気ないものだろう。
本書の前に消化しておくべき参考書には各種あるだろうが、文法だけを抽象的に学ぶよりは
実際の文例を読んでみてから語法解説に入るスタイルが実践的だと思うので、個人的には
草土力「古文入門」(Z会出版)を推したい。
同書を終えれば、本書を楽しく読めるレベルに達していると思う。
いずれにしても、文法事項をそれだけ抽象的に勉強するのは非効率。
当時の暮らしの常識、昔の人の考え方、文学史上の位置付けなどを総合的に学ぶという
本書の方法論がじつは一番効率の良い勉強法ではなかろうか。
というわけで、実力ある受験生がいつも携帯する一冊として、電車内やバスの待ち時間に
文庫化されたのは、大人向けの教養書としての位置付けを得たということであろう。
しかしここではあえて、現役高校生のための学習書としてどうかを考えてみた。
体裁からすると文庫版なので、机上でしっかり取り組むには向かない。
他方で、常に鞄にいれておいて通学時間に読むような使用法には向いている。
解説のスタイルは、読者に語りかける講義調とでもいうもので、最近はやっている
「予備校講義の実況中継」のハシリだと思えばよい。
もちろん予備校講師のように受けを狙うことはなく、一流の学者として、親切丁寧に、
かつ優雅で余裕たっぷりの名調子であるから、よみやすい。
内容は問題演習が中心。基本的な文法はあらかじめ知っていることが前提なので
実際には何か他の参考書を終えてから、次に挑戦する本ということになるだろう。
本書に先立つ参考書として、同著者の「古文の読解」(ちくま学芸文庫)も考えられる。
同書は本書よりも入門的であり、解説にもイラストがあったりして分かりやすいのだが、
しかし基本の基本はやはり省かれているので、最初の一冊にはなりにくい。
とはいっても文法だけの問題集をやるのも無味乾燥で味気ないものだろう。
本書の前に消化しておくべき参考書には各種あるだろうが、文法だけを抽象的に学ぶよりは
実際の文例を読んでみてから語法解説に入るスタイルが実践的だと思うので、個人的には
草土力「古文入門」(Z会出版)を推したい。
同書を終えれば、本書を楽しく読めるレベルに達していると思う。
いずれにしても、文法事項をそれだけ抽象的に勉強するのは非効率。
当時の暮らしの常識、昔の人の考え方、文学史上の位置付けなどを総合的に学ぶという
本書の方法論がじつは一番効率の良い勉強法ではなかろうか。
というわけで、実力ある受験生がいつも携帯する一冊として、電車内やバスの待ち時間に