新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録 の感想
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参照データ
タイトル | 新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山本 作兵衛 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062171717 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 地理・地域研究 » 世界遺産 |
※サンプル画像
購入者の感想
久しぶりに心から感動を受けた本でした。世界記憶遺産に登録されたという事で、ミーハー的な興味で読み始めたのですが、
作兵衛さんの飾らない語り口、そして信じられないほどの正確な記憶力に圧倒されました。いつ、どこで、なにが、どうなっていたか、
50数年前の状況を、あたかも昨日の事のように、淡々と表現されるのですから。
だから絵も、びっくりするくらい精密で、正確で、細かいところまで描かれています。幼い頃から絵がお好きだったこともあって
観察力も並ではなかった事を証明しています。そして一番私が気になったのは、描かれた人たちの目。
辛い、困難な状況なのに皆、一様に冷静な目をしています。最初は違和感を覚えたのですが、読み終わって納得しました。
絵は描いた本人を表すとも言われますが、絵の中の人たちは、作兵衛さんの分身なのです。作兵衛さんは辛い坑内作業に従事
していても、常に冷静に周囲を観察していたのでしょう。だからその目がしっかり描かれているのです。
冷静に物事を見つめる事ができたからこそ、長生きをされ、このような正に偉大な業績を遺されたと思います。あとがきによれば
遺言は「死んだら嘆かずに、万歳をして送ってくれ」だったとのこと。私も遅ればせながら作兵衛翁に万歳三唱を贈ります。
ノン・フィクションとは称しながら演出過大な本が多いこのご時勢、久しぶりに「何も足さない、何も引かない」本物のノン・フィクション
に出会いました。皆様もぜひ、一度手にされてはいかがでしょうか。
蛇足ながら、我が父は作兵衛さんより8歳年下の明治33年生まれでしたが、浪花節の「石童丸」をよく唸っていた理由が、
この本を読んで今、やっと分かった事もこの本のおかげです。
作兵衛さんの飾らない語り口、そして信じられないほどの正確な記憶力に圧倒されました。いつ、どこで、なにが、どうなっていたか、
50数年前の状況を、あたかも昨日の事のように、淡々と表現されるのですから。
だから絵も、びっくりするくらい精密で、正確で、細かいところまで描かれています。幼い頃から絵がお好きだったこともあって
観察力も並ではなかった事を証明しています。そして一番私が気になったのは、描かれた人たちの目。
辛い、困難な状況なのに皆、一様に冷静な目をしています。最初は違和感を覚えたのですが、読み終わって納得しました。
絵は描いた本人を表すとも言われますが、絵の中の人たちは、作兵衛さんの分身なのです。作兵衛さんは辛い坑内作業に従事
していても、常に冷静に周囲を観察していたのでしょう。だからその目がしっかり描かれているのです。
冷静に物事を見つめる事ができたからこそ、長生きをされ、このような正に偉大な業績を遺されたと思います。あとがきによれば
遺言は「死んだら嘆かずに、万歳をして送ってくれ」だったとのこと。私も遅ればせながら作兵衛翁に万歳三唱を贈ります。
ノン・フィクションとは称しながら演出過大な本が多いこのご時勢、久しぶりに「何も足さない、何も引かない」本物のノン・フィクション
に出会いました。皆様もぜひ、一度手にされてはいかがでしょうか。
蛇足ながら、我が父は作兵衛さんより8歳年下の明治33年生まれでしたが、浪花節の「石童丸」をよく唸っていた理由が、
この本を読んで今、やっと分かった事もこの本のおかげです。