POGの達人　2015～2016年　完全攻略ガイド (光文社ブックス 117) の感想

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　POGは3年目で、昨年度からPOGの主読本として赤本を利用。今年度版を読んで、個人的に感じた長所と短所を挙げる。
◇長所1馬体写真、内外の有力2歳馬1500余頭のリスト（巻中の参照箇所が示され、便利）というPOG本に必須な基本情報については、スタイルが確立されており、使い勝手がいい。ただ、体型や馬体重についての情報が乏しい点は改善希望。
◇長所2POG以外にも有用なコラムが載っており、お得感がある。今年は馬のカラダと動きについて、専門家のレクチャーをまとめており、これだけでも本としての価値がある、と個人的には感じた。
◇長所3「イケてなかった馬列伝」なるコラムがあり、前年度の内容を相対化できる。監修者は年々イケてなかった馬文化が衰退することを指摘しているが、来年からは「POGライターが見過ごした大物列伝」を新設してはいかがか。
◇短所1育成サイドの評価・調教師の評価や産地馬体検査での寸評が、形式・着眼点とも不統一で、記者によっては適当(に見える)。
◇短所2ライター12人の推奨馬のコーナーで、推奨される馬が少なからず重複している。ライター当人は楽しかろうが、あまり読者の役には立たない為、3人程度に縮小すればいいと思う。現状の規模で展開する場合、「馬体しか見ない」とか「血統しか見ない」とか「マル外しか選ばない」とか、各人が極端な選択範囲を設けて推奨馬を挙げて初めて価値が出るだろう。
◇短所3産地馬体検査に登場した馬や調教師が名前を挙げている馬の馬体写真が載っていないというケースが多々あり、巻中の内容相互が有機的に連関しきれていない印象。写真が載せられない場合、せめて巻末リストで一見して分かるように工夫して欲しい。