宰相A の感想

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タイトル宰相A
発売日販売日未定
製作者田中 慎弥
販売元新潮社
JANコード9784103041344
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー

購入者の感想

田中慎弥さんの新刊「宰相A」が問題作として話題になっている。「週刊現代(2015年4月4日号)」に田中慎弥さんのインタビューが掲載されていたので、その記事と「宰相A」の一部を引用させて頂きながら「宰相A」の魅力に迫りたい。(「」は「週刊現代」からの引用。『』は「宰相A」からの引用)

田中慎弥さんは新潮新人賞を受賞してデビューし、その後川端康成文学賞、三島由紀夫賞、芥川賞を受賞するという純文学の王道を歩んできた小説家だ。そんな田中さんが「いわゆる純文学と呼ばれるものを書いてきましたが、作家として変わらなければいけないという意識が強くあって、これまで書いてこなかったある種ファンタジックなストーリーを広げた」のがこの作品だ。

田中さんの必要とする変化とは何だろう?この発言からは純文学というジャンルを冒険的に逸脱し、他ジャンルの手法なども取り入れた新しい小説を目指したとも解釈できるが、本当のところはどうなのか?実際この小説は、これまで封印してきたであろうエンタメ要素が強化された小説になっている。作家Tが、母の墓参りに向かう途中、不思議な世界に迷い込む。そこは深緑色の制服を着たアングロサクソンが日本人としてモンゴロイドの旧日本人を支配し、世界中で戦争をしているもう一つの日本だった。もう一つの日本には次のような制度がある。

『日本国民には出生と同時に漏れなく国から、ナショナル・パス(N・P)が発行される。これにはN・Nが記載、入力されている』。『N・Pを持たないのは国家に、つまり民主主義に反逆する意図があると疑われる』。

『旧日本人として、政府が設定した特別な居住区に暮らしている。外側の、日本人と同じ社会での生活は許されていない』。

『民主的な日本に害を及ぼすものはなんであれ正義と民主主義の敵であるのだから、その敵を排除するために使用される武器、攻撃力はまさに民主主義の根幹であり、子ども達にアンケートを取れば、将来就きたい仕事として軍人は常にトップとなる』。

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新潮社から発売された田中 慎弥の宰相A(JAN:9784103041344)の感想と評価
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