メンデルスゾーン――知られざる生涯と作品の秘密 の感想

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参照データ

タイトルメンデルスゾーン――知られざる生涯と作品の秘密
発売日販売日未定
製作者レミ・ジャコブ
販売元作品社
JANコード9784861824852
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » クラシック » 19世紀以後

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2009年に生誕200年を迎えたメンデルスゾーンの生涯と作品の秘密に迫った作品。著者は1945年生まれの音楽学者で、原著は1977年に刊行されている。

冒頭の第1章で、メンデルスゾーンのの評価が総体的に低いことを指摘し、その背景として彼が活躍した19世紀の音楽シーンを簡潔に描きだす。第2章以降は、彼の祖父母、父母、生誕の地であるハンブルクの当時の様子などを含め、ほぼ時系列に沿って、メンデルスゾーンの生涯を辿っていく。祖父が哲学者であったこと、父母が教育熱心だったこともあり、幼少期からいかんなく神童ぶりを発揮。作曲家としてはもちろんのこと、指揮者としても活躍し、バッハの音楽の復興にも貢献している。また、作曲家・ピアニストでもあったファニーの生涯も描かれている。

音楽学が専門の著者だけあって、楽譜を引用しながら、その特徴などを分析幾度となく分析している(ただし、当方は専門外なので正否は不明)。さらに、メンデルスゾーンは画才もあったようで、旅先を描いた見事なスケッチが多数引用されている。

印象に残るのは、晩年のゲーテと交流。年の差こそあったものの、この二人の天才がお互いの才能に惹きつけられたことがよく分かる。もう一つは、メンデルスゾーンの旅の数々。19世紀前半の交通事情を考えると、驚かざるを得ない。特にイギリスには、40年に満たない生涯の間、10回も訪れ、滞在期間は20か月にも及んでいる。代表的な作品にも、『夏の夜の夢』、『フィンガルの洞窟』(原題は、『ヘブリディーズ諸島』)、『交響曲スコットランド』などイギリスに関わりがあるものが多い。

ユダヤ人であったため、反ユダヤ主義との関わりから、不当な評価を受けてきたものの、生誕200年を迎えたこともあって、再評価の機運は高いとされる。そういった意味で、1977年に本書を上梓した著者の慧眼は称賛に値する。

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