告白 (文春文庫) の感想

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タイトル告白 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者井口 俊英
販売元文藝春秋
JANコード9784167624019
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

以前から読みたいと思っていた本書をブックオフで見かけて早速買って読んでみた。
ノンフィクションということや事件の内情暴露といった面も興味深いが、私にとってはもっとも印象的だったのは「心理的」な供述である。
感想を一言で表すとするならば「これは誰にでも起こりうること」ということだ。
井口氏の人となりや歪んた正当化意識などは後述するが、なによりも重要なのは井口氏は普通の人であった。
つまり私でありあなたなのだ。本書を読んで彼は狂ってるし、自分は違うというのは簡単だ。
しかし果たして本当にそうだろうか?
その理由は下記の2点からなる。

1、自分の行動からくる負の結果に対しての責任逃避。

まず第一に、彼によれば1000億円の損失の全ての始まりは5万ドルの損失を隠すことから始まっている。
そしてその記述がされている部分に下記のように記されている。
「購入をすすめた業者が2−3日もすれば回復すると断言したのでそれまで延ばすことにした」
「日に日に自分の給料の2年分も損失に危機感を持ちなんとか損を埋めなければならないと思った」
「しかし私にはこれ以外方法はなかった」
「絶対にこれ一回で損失分を儲けなければならなかった」
「損切るということ自体全く予定外であった」
またこれら始めとして、横領の際、逮捕の際、取り調べの際などこうなったのは自分以外の何かの責任で今の状況になったという解釈が随所で見られる。
私もそうだがこれを事後こうして第三者の目線で見れば馬鹿な事をしてるなと思うだろうが、自分が当事者になれば大小はあるものの誰でも彼のような感情になってしまうことは、投資投機を経験したことのある人であれば想像するのは容易だろう。
雑誌新聞に書いてあったから、有名投資家が言ってたから、アナリストが言ってたから、何故この銘柄に限って、何故このタイミングに限って、何故自分だけなどの気持ちが少しでも横切ったことはないだろうか? 

2、自己暗示による認識の正当化

第二に自己暗示による認識の正当化である。

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