不毛地帯〈3〉 (山崎豊子全集) の感想
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参照データ
タイトル | 不毛地帯〈3〉 (山崎豊子全集) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山崎 豊子 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106445248 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 » 個人全集 |
購入者の感想
1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様の取材の緻密さが感じられた。この小説では、シベリアに11年間抑留された元日本陸軍参謀の主人公が帰国後商社マンとして第2の人生を歩んでいく姿を描いており、前半はシベリアでの強制労働、後半は砂漠の中での石油開発と2つの不毛地帯を舞台にしている。様々な不幸、困難を経験しながらそれぞれの不毛地帯に不屈の精神で立ち向かっていく主人公に知らず知らずのうちに感情移入してしまい、大作の割にはどんどん読み進めてしまう。お薦めの1冊である。