戦争論〈上〉 (中公文庫) の感想

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タイトル戦争論〈上〉 (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者カール・フォン クラウゼヴィッツ
販売元中央公論新社
JANコード9784122039391
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

「戦争全体は人間の弱点を前提とし、この弱点に目をつける」。「正しい方針を立てる人のみが奇襲できる」。まるでグリン・スパン元FRB議長の演説のように難解で含蓄のある表現が多いのは事実。誰でも読み進められるような本ではない。ただし、説明は冷徹なくらい論理的で、それゆえ回りくどく長くなっているだけである。よって、その点に慣れてばくれば、むしろわかりやすくさえ感じる。

ただ、古くから世界の軍関係者に愛読されてきた名著であるものの、大量破壊兵器やハイテク兵器が幅を利かせる時代の常識からすると、率直に述べて、もう古い。

一方、「合理的目的が附加されれば大胆さは容易に発揮される」というような指摘は戦争だけに限ったものではなく、むしろビジネスマンにとって参考になる部分が多いかもしれない。実際、「上級軍人に必要な知識は、特殊な才能による考察、つまり研究と熟慮によってのみ獲得することができる」「批判とは理論的真理を実際の事件に応用すること」というような点や、あるいは、戦略と戦術の定義と位置づけと意義などは、けして軍事に限ったことではない。

簡単な本ではないが、読み解きながら時々姿勢を正したくなるような著作である。

 極めて回りくどい表現のオンパレードで、上下巻を通読するのは、正直言ってしんどかった。まどろっこしい表現は、原典のせいか翻訳のせいかはわからないが(おそらく前者か…?)、通読するにはそれなりの覚悟は必要。だが、研究者でなければ、通読の必要も高いとは思わない。
 しかし、通読の必要性はともかく、第1部から第3部と、下巻に収められている第8部は読み応えがある。現代のビジネスパーソンにも、多くの示唆を与えてくれると感じる。
 マーケティングの世界は、(ライバル企業との)戦争の時代から、(顧客との)恋愛の時代へと、変遷したというのが、私自身の時代認識ではあるが、しかし、この「戦争論」は、ビジネスパーソンにも、有益な一冊(二冊?)になると考える。

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