たそがれたかこ(3) の感想

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タイトルたそがれたかこ(3)
発売日2014-12-10
製作者入江喜和
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

美味い。
滋味深い。
素材は、この御時世、そこらじゅうにありそうなものなのに、選び抜かれたものに手間かけた仕込みが施されて、醸し出される味は絶妙。
いや、味ですからね、好き嫌いはあると思いますよ。
でも「世界一周ぐらい」し終わった齢には、沁みる味だね。

手間を、無駄な方向にしてしまっては元も子も無くて。
それが生きるようにするには、さらにその手前で、素材と会話して素材を知るための、長い時間がかかっているのでしょう。

人間て、バカですよね。
自分の器を顧みず、「しなければいけない」とか「できてあたりまえ」との思い込みだけで、自分をつぶすくらいのものを抱え込んで、ひーひー喘ぎながら生きてたり。
必死で足掻いて、それでも上手くいかずに、ヤケになって荷物を放り投げたら、あれ?これでいーんじゃね?みたいな。
なんだよ、最初っから手ぶらでいればよかったんじゃん、みたいな。
そんな人間のドタバタは、だけどドラマとして面白いんだろうか。
リアルな生活にくたびれてる人間は、そんな人間ドラマを楽しめるんだろうか。

ところが、これが楽しめる。
それは、物語の持つリアリティが、明確な意思のもとで、長い時間をかけて仕込まれているから。
人は、些細なことで傷つき、些末なもので立ち直る。
そんな日常も、美味しくアツアツに仕上げられれば、グッと惹き付けられてるうちに、あれ?もう終わり?

↑THE HIGH-LOWS↓の「十四才」に「リアルよりリアリティ」というフレーズが出てきます。
リアリティを作品に宿すには、身の回りに溢れるリアルから、ある一欠片を掬い上げて、それ以外をバッサリ切り落とし、その欠片が光り輝くまで丁寧に磨き上げる、という過程が必要に思います。
掬い上げることも、切り落とすことも、磨き上げることも、全部、難しいのに、全部に成功しないと、リアリティを持ってなお光る作品には、なり得ないと思うんです。
特に、リアリティを追求すると、どうしても人はリアルな雑事を配置したくなってしまうのではないでしょうか。

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