テレビ局の裏側 (新潮新書) の感想

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タイトルテレビ局の裏側 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者中川 勇樹
販売元新潮社
JANコード9784106103414
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » メディアと社会

購入者の感想

スポンサーとの関係、テレビ局員の特権ぶりなど、テレビ局の抱える問題点について、フリーのディレクターが真面目に論じた本。メディアコンテンツ制作の現場を知らない人は、「やらせはすべて良くない」と考えるし、やらせ問題の裏側説明や、現場の苦悩を「知ってる」とばっさり言い切ってしまうのはたやすい。しかし、映像メディアであるテレビで演出を排除すると映像の特性が生きない内容になってしまうので、こうした「演出」は避けて通ることが出来ない。取材対象を挑発したり、やめた会社の制服を着させて匿名インタビューするなど、これまでOKというか、むしろ推奨されてきた演出がアウトになるなど、年々ルールは厳しくなっていて、どこからがモラルに反する行為なのか、プロでも分かりかねる。様々な例示を出して、著者なりの考えを語りつつ、読者にも考えてもらいたい、という著者なりの誠実な思いが伝わった。後半の、予算最優先、特に放送外収入を当て込んだ番組作りの弊害もひどい。著者のプロとして2ヶ月かけて作った映像素材が、「うちの社で作った映画の主演が来るから3分縮めて」と前日に言われりゃ怒りが沸くのも当然だ。こういうのは視聴者も愚弄した、完全な会社ありきの番組作りだ。著者も指摘するように「電波が公共物である」という意識が微塵も感じられない。

視聴率が良ければ、のりぴーを洪水のように放送し、朝昼は新聞の読み上げ、夕方はニュース番組でバカ盛り企画、冬のラーメンと低予算、数字がとれりゃ何でもいいのか、という疑問に回答の糸口を与えてくれる。テレビで飯を食っているのに、よくぞ言ってくれたという感じ。

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