CD付徹底図解 クラシック音楽の世界 の感想

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ごく普通の初心者向け入門書といった体裁の見かけとは裏腹に、なかなか読みごたえのある一冊である。

図版や譜例も豊富で、西洋音楽の様式の変遷が個々の作品の実例をもとにわかりやすく説明されている。文化史的な観点を常に忘れないのもよい。附属のＣＤにより、実際に音で確認出来るのもうれしい。

ただ、あまりクラシックを聴いたことのないまったくの初心者が、入門書としていきなりこの本に当たるのはちょっときついだろう。例えば、ソナタ形式の例としてモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』の六重唱が挙げられており、「なるほど」とは思うが、初心の方には分かりにくいと思う。

むしろ、ある程度、クラシックを聴き込んだ人にこそお勧めできる良質な概説書であり、この内容でこの値段はなかなかお買い得であると言える。0