CIA秘録〈下〉-その誕生から今日まで (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルCIA秘録〈下〉-その誕生から今日まで (文春文庫)
発売日2011-08-04
製作者ティム ワイナー
販売元文藝春秋
JANコード9784167651770
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

本書はCIAが誕生してから、イラン大量破壊兵器の存在に関する間違いから崩壊するまでの約60年をひも解いたものである。上巻はCIA誕生からベトナムへの介入までを取り上げているため、どちらかというと現代史を読んでいるようだが、下巻はベトナム戦争からイラン革命、ソ連のアフガニスタン侵攻、イラン・コントラ事件、湾岸戦争、ソ連崩壊、9・11とある程度の年齢であればリアルタイムで見聞きしてきた世界の紛争でCIAが何をして、何をしなかったのか、が詳細に書かれている。かなりのボリュームになるので、特にこだわりがないのであれば、下巻だけでも読む価値があるのではないだろうか。

その中でも“第50章「重大な間違い」イラク大量破壊兵器”はアメリカのイラク進攻の根拠となっていたことに対する事実関係、CIAが何をもってイランに大量破壊兵器を保有しているかということを大統領にインプットしていたのかが明らかになっている。この部分は貴重な歴史の検証ともなると同時に、リアルタイムで起きている紛争の背景を知るうえで貴重な資料といえる。

この不始末をもってCIAは解体の憂き目にあうのだが、その後CIAのトップは文官から軍人に移行し、諜報活動がCIAを退職した職員の所属する民間会社にアウトソースされ、諜報予算がそのままビッグビジネスになっている点も見逃せない。国家の諜報活動が軍人のコントロールの元、民間企業にアウトソースされることの新たな課題も提示している点も見逃せない。

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