日本海軍400時間の証言: 軍令部・参謀たちが語った敗戦 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル日本海軍400時間の証言: 軍令部・参謀たちが語った敗戦 (新潮文庫)
発売日2014-07-28
製作者NHKスペシャル取材班
販売元新潮社
JANコード9784101283739
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

 本放送を拝見し、DVDも購入し、書籍化された際も購入しようと思っていましたが、当時は本を読む時間が惜しかったのでハードカバー版は購入を見送りました。
今、読書に割ける時間が出来たところに文庫化との知らせが入りましたので早速購入しました。

 本放送の時から、DVDでも見るたびに不思議に思うシーンがありました。
海軍軍令部は本当に対アメリカ戦争に勝算があると考えていたのか、東条首相は「海軍が戦は出来ぬと言えば戦はやらぬ」と言っていた時、永野軍令部総長に「戦は出来る」と明言させた根拠は何だったのか、と元軍令部参謀に詰め寄るシーンです。
参謀が「個人的にはやらない方が良いと思った、(直属の上司に)そうは言った」と弁解すると、参加者の一人が「おそらくそうだったんでしょう。残念でしたねえ」と発言すると、会場が爆笑する場面です。

 なぜこんなに楽しく笑うことが出来るのか。まるで答えに窮する元参謀に出した助け船の一言が、コントか漫才のようにウケている。
観ていてとても不可解なシーンでしたが、この本を読むことでその謎が解けました。

 本著はNHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」の取材ノートを書籍化したものです。
テレビ番組には収録出来なかった400時間の録音テープという第一次資料と、発言者の遺族を訪ね歩いて取材した第二次資料を集積し、製作スタッフが自ら筆を執った第三次資料です。

 第1回放送は国家戦略よりも「組織」としての海軍を優先した誤りについての反省。
 第2回放送は「組織」が誤った方針をとりつつあるのに、誰もそれを正せなかった反省。
 第3回放送は戦後、「組織」としての海軍が戦犯となることを回避した工作についての反省。

 どの反省も、海軍についての反省であって、戦争についての反省や敗戦についての反省、ましてや国民に向けての反省ではありませんでした。

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