北欧神話と伝説 (講談社学術文庫) の感想

239 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトル北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者ヴィルヘルム・グレンベック
販売元講談社
JANコード9784062919630
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門

購入者の感想

神話の本を読む人が気にかけることはいくつかある。

ひとつ、網羅的であるか。
網羅的でない神話の本は多いし、実はそれが普通だったりする。

ふたつ、面白いか。
実は神話の本は物語を語るものは少なく、なにげなく手に取ると、理屈ばかりの研究所である場合が多い。

みっつ、著者によって勝手に魔改造されていないか。
再話のものでは、語り手の倫理観だとか人生観だとかで、かってな解釈がなされていたりすることがある。

グレンベックのこの本はすべてをクリアしている上に、グレンペック自身の語り口が他の追随を許さないほど面白い。
つまり、網羅的で、面白く、エッダに対して誠実だ。

(しかしグレンペックは原典を明記していなく、スノリのエッダなどに書かれていない物語をどこから持ってきたのか、そのソースが不明だったりする。彼自身が研究者なので、おそらくいくつかのバラバラの原典を所有していたのだろうが、詳しいことは不明だ。しかし仮に彼の解釈によって神話が再構築され語り直されているにしろ、その解釈は素晴らしく面白く、また誠実だ)

これまで北欧神話を語り直した本はいくつか読んだが、このグレンペックのものが一番素晴らしい。
明解で簡潔、そしてなにより力強い。

とくにジークフリート神話が素晴らしい。

ジークフリート神話においては、ブリュンヒルデという複雑なヒロインをどう描写するかに語り手の技量が現れるのだが、
グレンペックのブリュンヒルデは素敵だった。

ちなみに。

本書は1971年に新潮社から出版されたものを講談社が学術文庫に加えたものだが、
新潮社の1971年版のほうが装丁がかっこいい。

黒一色の革の装丁に、金文字で「北欧神話と伝説」と刻印されている。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫) を買う

アマゾンで購入する
講談社から発売されたヴィルヘルム・グレンベックの北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)(JAN:9784062919630)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.