ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1) の感想

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参照データ

タイトルゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)
発売日販売日未定
製作者宇野 常寛
販売元早川書房
JANコード9784150310479
カテゴリ » ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学

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購入者の感想

何度でも繰り返そう、人は物語から逃れられない。(382ページ)

本書の目的は、2000年から2008年ごろまで、すなわち「ゼロ年代」の国内文化における「物語」の「想像力の変遷」を追うことである。
90年代に入って「ポストモダン」の名のもとに「大きな物語」が失効して社会的な価値が流動的になると、「小さな物語」が乱立する状態になる。1995年以降は「エヴァ」に代表されるようにそうした状況から逃げてひきこもるタイプの想像力が語られたが、それは「DEATH NOTE」の夜神月のような「決断主義」によってとって変わられるようになる。ゼロ年代においては「不安な社会」はもはや「前提」であり、そうした中で小さな共同体が互いに排外的性格を強めながら乱立する「バトルロワイヤル」状態をいかに乗り越えていくかが問題なのだ。「エヴァ」的に「ひきこもる」ことを選択したところでそれは「何もしないことを決断した」ことにすぎず、弱者として取り残されてしまう。かといって夜神月になることはバトルロワイヤル状況を悪化させるだけである。「ゼロ年代の想像力」はこの状況にいかに対峙してきたのか。

このような形でゼロ年代を整理したうえで、宮道官九郎や木皿泉、よしながふみの諸作品や「仮面ライダー」シリーズなどを分析していく。
これだけ幅広い作品を次々に論じていく力量というかバイタリティは大したものだと思う。また、(おそらく)これらの作品に対する分析も、著者の時代理解も、かなりの程度正しさを含んだものなのだろう。

しかしながら、本作に対しては幾つかの違和感を提示しなくてはならないのも事実である。

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