マンガでわかる統計学 の感想

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タイトルマンガでわかる統計学
発売日販売日未定
製作者高橋 信
販売元オーム社
JANコード9784274065705
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 確率・統計

購入者の感想

限られたスペースで、統計学の基礎の重要事項を一通り盛り込んだことは評価できる。事例を中心とする説明も丁寧で分かりやすい。ただ、後半の「カイ二乗分布」あたりから急に分かりにくくなる。その理由は、重要概念について、「それが何であるか」の言葉による説明がないからだと思う。初学者に対しては、大よそのイメージを掴めるような説明が必要なのだが、それが足りない。例えば、「正規分布」であれば、「人為的な作為などの特別の原因が加わらず、自然に生じるままに任せたときにそうなる分布」、「カイ二乗分布」であれば、「平均からの<ずれ>の大きさを分布で示したもの」、「自由度」であれば、「データのばらつきを引き起こす要因の数のこと、データをばらつかす要因が一つであれば、自由度1、二つであれば、自由度2」、また、「帰無仮説」のような奇妙な名称については、「帰無とは、<否定される運命にある>という意味であり、検定とは、ある仮説を立てて、<その仮説が否定できるかどうか>を検討してゆくことだから」といった、簡単な説明がほしい。というのも、このような重要概念は、たとえ完全に厳密ではなくても、「それが何を意味しているのか」について一定の理解がないと、先に進めないからである。

経済、会計、金融、株といったテーマを、マンガで解説するという本

はこれまでにも多数出版されているが、実際に読んでみるとおおよそ

どれもが満足ゆく内容であったりする。特に、それなりの売り上げを

誇り多くの人に読まれている本であれば、なかなかハズレはない。

この本もまさにそれに当てはまり、統計学の導入本・基礎本としては

大変素晴らしいものである。

とはいっても、どうしても「マンガ」というだけで不安を覚えたり、

反射的に馬鹿にしてしまう方もおられるであろうから、もう少し具体的

に内容に触れておきたい。私は、大学院(経営系)で学んでいる身で

あるが、この本書がカバーしている範囲は「統計学を専門とはしないが、

大学・大学院レベルの教養として、知っておくべき統計学の範囲を網羅」

している。つまり、これを読んでも専門家にはなれないが、統計学の

土台となる部分はしっかり盛り込まれているということだ。実際、

私が大学院の講義(統計基礎、計量行政)で学んだ内容は、この本に

書かれていることに「若干+α」した程度である。この本の内容を土台

として、具体例に基づく演習やExcelの応用及びSPSSなどの統計ソフトの使い方

を学べば、大学院での講義内容をカバーしてしまう。ただ、統計に

用いられる数式の理解については、「こういうものだとして覚えて

しまう」のが本書の限界である。この点、数理系の分野に詳しい方

には物足りないかもしれない。この点だけ注意が必要である。

統計学に興味を持った人の導入本として、また、統計学の基礎部分を

ざっと復習するための本として、非常におすすめできるものである。0

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