銀漢の賦 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル銀漢の賦 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者葉室 麟
販売元文藝春秋
JANコード9784167781019
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

ドラマがなかなか良かったので原作も読みたくなり読んでみました。
非常に清々しい大人向けの物語ですね。
とりわけ、大義のためには敢えて鬼に徹する松浦将監に惹かれました。
また主人公が穏やかな晩年を過ごすことを予感させる最後も好きです。
ちなみにドラマは源五が中村雅俊、将監が柴田恭平、娘が吉田羊、女中が桜庭ななみでした。
なかなかイメージを壊さないいいキャスティングだと思いませんか?
ストーリーもちょっと松平定信を理想化しているのと国替えの裏話を省略していることを除いては、ほとんど改変もなくいい出来でした。
原作を読んでもう一回見たくなりました。
葉室さん、いいですねえ、他の作品も読みたくなりました。

やられた・・・・久しぶりにすごい作品に出合ってしまった。
武士も百姓も関係なく、こころざし高く気骨のある人間がみせる武士道精神。
うなるような気迫と生きざまに震えた。

濡れ衣を着せられ暗殺された父の仇を討つため、最後は家老にまで のし上がった男。
家老になる決め手となった手柄は、藩を揺るがす百姓一揆の弾圧で、
その一揆は、皮肉にも身分の違う幼き頃の親友3人が、
指揮官と鉄砲隊員 対、百姓一揆のリーダーとして向い合った事件でもあった。

私欲を捨て大義のために生きぬいたつもりでも、ほんの少しの気のゆるみや
なにげなく振り払った火の粉が、知らないところで人に致命傷を与えているという
人間界の非合理さを思い知らされた。

現代人が武士の言動に感動するような ぬるい時代小説ではなく、
江戸時代の武士が読んでも、きっとこの作品に共感し感涙したはず。 本気で骨太作品です。

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