百年の孤独 の感想

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タイトル百年の孤独
発売日販売日未定
製作者G. ガルシア=マルケス
販売元新潮社
JANコード9784105090081
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » スペイン文学

購入者の感想

 この本の冒頭には、親切なことに家系図が収められている。なければたぶん自分で作っただろう。新潮社は読者の楽しみを一つ奪っている。何度この図を見ただろうか。それほど、この物語は込み入っている。
 南米大陸のどこかにマコンドという町が作られた。中心となって建設したのはブエンディア家であり、物語は彼らの前後左右に展開していく。
 登場人物は限りなく多く、しかも名前が似ている。5世代半の物語がわずか400ページあまりに収まっているのは、池澤夏樹が『ブッキッシュな世界像』でいうように「マルケスがいわゆる心理描写をほとんどぜず、大量の具体的な事実だけを腕力にものを言わせて積み上げ」ているからである。その大量の具体的な事実とは、アウレリャノ大佐が魚の金細工に夢中になったとか、ホセ・アルカディオ・ブエンディアが栗の木につながれたとか、ほとんど因果関係のない挿話群である。マコンドという場所とブエンディア一族であるということだけが共通点である大量の脈略のないものなのである。
 だから要約しようとしても要約できない。マコンドの街の栄枯盛衰ということはできるが、そこで何があったのかを語るには、大量の事実すべてを語らなければならない。ただ、その面白さは徹夜で一気に200ページ読むというようなものではなく、20ページ読んでは咀嚼・反芻・ゲップして、4,5日後にまた15ページ読むというようなものである。
 要約不能で時間のかかる面白い読み物である。

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新潮社から発売されたG. ガルシア=マルケスの百年の孤独(JAN:9784105090081)の感想と評価
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