明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書) の感想
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参照データ
タイトル | 明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鴻巣 友季子 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106101380 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
翻訳という作業は原作とは異なる、またある意味では原作以上の芸術的な創作の営為です。特に明治の翻訳初期の作品は、その誤訳や大胆な翻案ぶりはいつも否定的な側面からのみ語られてきましたが、この作品は、その翻訳家の悩みと喜びの跡を、同業者の目から、肯定的に、たどろうとした作品です。いろいろな作品の翻訳並びに翻案の経緯がたどられているのですが、事実の発掘に徹するのか、それとも翻訳の導入における日本的な特徴の分析にも議論を進めるのか、ちょっとどっちつかずになったようです。鴎外の妹である小金井喜美子の翻訳や創作活動の始まりと終焉の部分は興味を持って読むことができました。0